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日本IBM、クラウドサービス「IBM SmarterCloud」のIaaS/PaaSを機能拡充

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は29日、クラウドサービス「IBM SmarterCloud」の拡充を図るため、IaaS「IBM SmarterCloud Enterprise(SCE)」と、アプリケーションの開発や管理を行えるPaaS「IBM SmarterCloud Application Services(SCAS)」の両サービスを強化すると発表した。前者については、オブジェクトストレージ機能を利用できる「IBM SCE R2.3」として、後者については「IBM SCAS R1.1」として提供する。

 IaaSである「IBM SCE」は、全世界6カ所のIBMデータセンターを連携・統合しながら、世界中どこからでも同じサービスを利用できる、企業向けのパブリッククラウドサービス。SLAにより99.9%の信頼性を提供しており、経済性と高信頼性の両方を必要とする企業に適しているという。

 新版の「IBM SCE R2.3」では、オフィス文書、音声、画像、動画といった大容量データの保管に適するオブジェクトストレージを、すべてのユーザーが利用できるようになった。ユーザー環境のWindows ServerをIBM SCE上に導入できるWindowsインポート・コピー機能も、新たに利用可能になっている。加えて今回は、価格を平均20%値下げした。

 一方の「IBM SCAS」は、クラウドアプリケーションの開発環境とアプリケーションライフサイクル全体の管理機能を統合して提供するPaaS。IBMが推進するパターンベースドテクノロジーを実装しており、アプリケーションの開発・構成・統合・保守などに必要な情報をあらかじめ定義したパターンや仮想イメージを活用することで、開発期間の短縮やライフサイクル管理の効率化、運用のセミオートメーション化を実現する。

 新版の「IBM SCAS R1.1」では、さらなる効率化を実現するため、モバイルアプリケーション開発環境に適したパターンの追加と、稼働中のVM監視などの機能が追加されている。また、データベースパターン機能が強化され、データベースのスナップショット取得やクローニングに対応した。

 なお「IBM SCE R2.3」は「IBM SCAS」と合わせて最大60日間のトライアルを利用可能。「IBM SCAS R1.1」は6月28日からグローバルでサービス提供を開始する。

(石井 一志)