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米Zendesk社が日本法人を設立~クラウド型カスタマーサービスツールを展開

 クラウドベースのカスタマーサービスツール「Zendesk」を展開する米Zendesk社は3月12日、デンマーク、英国、オーストラリア、アイルランドに続く5番目の現地法人として、2月28日付けで「株式会社Zendesk」を日本に設立したと発表した。

 「Zendesk」は、顧客サービスにかかわる、あらゆる窓口からの問い合わせやコミュニケーションを、クラウド上で一括管理することができるカスタマーサービスツール。初期投資コストをかけずに利用を開始することができ、導入企業のニーズや規模に合わせてカスタマイズを行うことも可能となっている。また、企業のカスタマーサポート部門とセールスやマーケティング部門間など、社内で対応状況や顧客情報を共有するなど、マルチチャネルに対応できる点も大きな特徴だ。

米Zendesk社 創業者兼CEOのミッケル・スヴェーン氏
「Zendesk」の導入企業の推移

 米Zendesk社 創業者兼CEOのミッケル・スヴェーン氏は、「当社はデンマークのコペンハーゲンで2007年に設立し、企業がカスタマーサービスを管理する方法を一新させることを使命として、事業を立ち上げた。そして、シンプルで誰でも使えるZen(禅)なツールでありながら、今日のコミュニケーションの形に適した、モダンなカスタマーサービスのプラットフォームとして『Zendesk』を提供している」と、同社の事業概要を説明。「2007年当初の導入企業は数100社程度であったが、現在では、世界140か国で2万5000社以上の企業に導入されるまでに成長した」と、急速にビジネスが拡大しているという。

 こうした中、日本市場では、2012年5月に国内オフィスを開設すると同時に、日本語版「Zendesk」の提供を開始。今回、日本における導入企業が100社を突破したことを機に、2月28日に日本法人を設立した。

 日本法人設立の背景について、スヴェーン氏は、「日本は、世界中で最高の顧客サービスが評価される国である。最近の調査では、海外旅行者が最高のサービスを受けられる国として、日本が圧倒的な支持を得て1位に選ばれており、カスタマーサービスの質の高さが世界に認められている。この優れたカスタマーサービスの歴史と伝統がある日本で、『Zendesk』を本格展開することにより、さらなるサービス向上をサポートしていく」と述べている。「また、米国に比べて、日本のカスタマーがソーシャルメディアを問い合わせ窓口として利用する可能性は倍以上あると当社では推測しており、日本市場と『Zendesk』との相性は非常に高いと考えている。3年後には、日本での導入企業を1000社まで拡大したい」と、スヴェーン氏は日本市場でのビジネス展開に意欲を見せた。

Zendesk ジャパンカントリーマネージャーの國村寛氏
「Zendesk」日本語版のインターフェイス

 日本法人の設立にともない、ジャパンカントリーマネージャーには國村寛氏が就任した。國村氏は、「『Zendesk』のユーザーインターフェイスはすべて日本語化され、日本語に完全対応している。また、日本語の専用サイトを用意しており、このサイトから誰でも手軽に『Zendesk』の無料トライアルを開始することができる。『Zendesk』では、チケット管理システムによって、カスタマーの会話と社内サポートの会話の両方を処理し、キーワード、タグ、一括更新などのツールでチケットを効率的に管理することが可能だ。さらに、メールやWeb、電話、ライブチャット、ソーシャルメディアなど、複数のチャネルを通じて、いつでもどこでもカスタマーサポートを提供することができる」と、デモを交えながら「Zendesk」のメリットを強調した。

 日本市場での今後のマーケティング戦略については、「幅広い企業に『Zendesk』の利用を広げていくには、根強いファンベースを作ることが重要であると考えている。実際に、現在の導入企業の多くは、『Zendesk』を本当に気に入って使ってもらっている。こうしたファンユーザーを増やしていくために、ユーザー交流会を開催したり、『ブートキャンプ』という無料トレーニングを実施するなど、Zendesk公認パートナーとも協力して全国各地で積極的に『Zendesk』のプロモーション活動を展開していく」との考えを示した。

 なお、Zendesk日本法人では、日本市場でのさらなる事業拡大へのコミットメントとして、2013年中に7人の採用を予定している。

(唐沢 正和)