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東芝、PC事業におけるB2Bソリューション比率を2015年度に4割へ引き上げ

カンパニー社長直轄のB2B事業推進室を事業化へ

 株式会社東芝は、PCおよびテレビ事業におけるB2Bソリューション提案を加速させる。

 2012年7月に設置したB2B事業推進室をベースに、2013年4月から事業化。売上予算を計上して、B2B事業を本格化させる考えだ。

 東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の営業統括責任者である檜山太郎氏は、「顧客の個別の課題を、デジタルデバイスを活用して解決していくのがB2B事業推進室の狙い。PCおよびテレビで培った技術をB2B事業に活用することで、安全かつ効率のよい社会の実現に貢献していくことになる。B2B提案を専門的に行う組織を通じて、PC事業、ディスプレイ事業におけるB2Bソリューション提案を強化する」と語る。

東芝 デジタルプロダクツ&サービス社の営業統括責任者である檜山太郎氏
B2B事業推進室を新設

企業向けの情報システム管理ソリューションを提供中

 B2Bソリューションの重要な切り口のひとつに据えているのが、企業情報システム管理ソリューションである。

 東芝では、日本IBMのIBM Tivoli Endpoint Manager(TEM)と、東芝の省電力技術とセキュリティ技術を連携させたクライアント管理ツール「東芝スマートクライアントマネージャー(TSCM)」を開発。IT部門の管理性を高める一方で、生産性を落とすことなくセキュリティ運用管理と消費電力管理を実現するソリューションの提供を、すでに開始している。

 「TSCMによって、セキュリティによる情報保護、BYOD管理に向けたソフトウェアの導入、省電力管理による節電、HDDの故障予兆の検知によるダウンタイムの削減など、PCクライアントの管理性を高めることができる」(檜山氏)という。

 TSCMでは電源制御機能により、起動許可や禁止設定など、状況に応じたセキュリティポリシーをPCごとに設定することが可能で、盗難や紛失時などに、ネットワーク認証できない不正環境下ではPCを起動できなくしたり、USBメモリやネットワークドライブへのアクセスや印刷を禁止したり、といった制御を行うことができる。

 さらに、TSCMの消費電力管理機能では、PCの消費電力を実測により管理。dynabookに搭載した自社開発BIOSとファームウェアにより、PC単体やユーザーグループ単位で消費している電力量を、IT管理者が正確に把握できるという。

 また、「モバイル利用が多い」「PCに負荷がかかる作業をする時間が長い」といった、PCの利用傾向に合わせた節電設定やピークシフト設定も行えるため、快適なPC利用環境の実現と消費電力量の削減との両立が可能になるという。

 そのほか、WindowsのPC環境に加えて、BYODなどにより、“iOSやAndroidを搭載したスマートフォンも管理の対象になっている”という動きをとらえた、新しい管理ソリューションの提案も進めていく。

 これについて檜山氏は「IT部門の管理負担を削減するだけでなく、中堅・中小企業といったIT管理体制が脆弱な企業への提案も進めていきたい」とする。

 なお当面の対象として、通信事業者、医療分野、教育分野をターゲットに展開。北米市場においては、大学向けの大型案件の商談が進んでいるとのこと。

 また、TSCMや業種ソリューションなどを組み込んだ専用端末などの提案にもつなげていきたいとしており、同社の青梅事業所や、日本IBMの拠点、パートナー会社の拠点などを活用することで、ユーザー個別対応したカスタマイズも行える体制を構築する考えだ。

TSCMとdynabookなどによって企業システム管理ソリューション事業を拡大する

デジタルサイネージの活用や3D表示提案なども

 さらに、映像技術との連携にも乗り出し、デジタルサイネージによる広告、スポーツ、映画分野への提案や、高精細マルチ表示の提案。医療やアミューズメント分野などの特殊用途における3D表示提案なども行っていくという。

 「ITインフラを活用することで、スマートビル化やスマートオフィス化を推進することができる」(檜山氏)としている。

 2012年7月に設置したB2B事業推進室は、従来、商品統括部のなかにあったPC事業とテレビ事業のB2B事業を切り出し、デジタルプロダクツ&サービス社の社長直轄組織として独立。約半年に渡って、事業化を模索してきた。

 その結果、2013年4月から事業化に踏みだすことを決定。B2Bソリューションビジネスの対象を、先行している国内および北米に加え、今年からは欧州市場にも広げていく予定だ。

 同社では、「現在、PC事業におけるB2Bソリューション事業の構成比は約2割。これを2015年度までに約4割にまで拡大したい」(檜山氏)と、B2Bソリューション事業の拡大に意欲をみせている。

デジタルサイネージや特殊用途3Dディスプレイ市場の拡大を図る

(大河原 克行)