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ネポンとNEC、農業ICTクラウドサービスを機能強化

警報やGAP機能をJAやつしろの50農家へ導入

 ネポン株式会社と日本電気株式会社(NEC)は16日、農業ICTクラウドサービスにおいて、農林水産省が推進している、農業生産工程管理(GAP:Good Agricultural Practice)への対応などの機能強化を行い、提供を開始した。

 温室用音風暖房機メーカーのネポンと、M2M技術を利用したソリューション「CONNEXIVE」を提供しているNECは、従来からセンサーネットワークなどを利用して農地データの見える化を実現するサービスを提供している。

 今回の機能強化では、新たに営農日誌や農薬散布記録簿機能などのコミュニケーション機能を追加するとともに、GAPに対応した。これにより、圃場(ハウス)におけるセンサリングから生産にかかわる管理までの一連の農業活動を網羅し、農業の生産性向上に貢献する。

 機能強化の具体的な内容は、農作業の計画と実績を記録することで、圃場ごとに品目・品種、播種日、定植日、収穫日などの農作業管理が可能な営農日誌を搭載。記録できる作業項目は管理者が自由にカスタマイズでき、チェックボックスやドロップダウンリストによる簡単な選択型の記録から自由入力まで、自由な管理形態に対応する。

 農薬散布記録簿機能では、圃場ごとの作付けに対し、いつ何の農薬をどのくらい散布したかを記録できる。農薬の散布回数、成分ごとの散布回数の上限、および散布量の条件をチェックしており、制限を超えた場合に警告を表示。散布記録簿も容易に作成できる。

 このほか、農作業の予定管理が可能なスケジュール機能、管理者が生産者にお知らせを一斉配信できるお知らせ機能などを搭載した。

 提供方式は月額費用によるクラウドサービス(2年契約)。サービス提供価格は1500円(税別)/月。

 なお、JAやつしろ(熊本県やつしろ市)の都築支所園芸部会(トマト部会とミニトマト部会約50農家)は、農薬散布記録を中心としたGAPマネジメントを実施するために、同サービスを導入している。これまでJA職員が個別で行っていた農薬散布の管理を、園芸部会単位でリアルタイムに行い一元管理。これにより、JAやつしろとしては、生産者のトレーサビリティが担保でき、消費者に対しても生産物の安全をアピールできるとしている。

(川島 弘之)