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NEC、小型バッテリを内蔵したデータセンター向けラック型サーバー~外付けUPSなどを不要に

Express5800/ECO CENTER

 日本電気株式会社(NEC)は19日、データセンター向け省電力サーバー「Express5800/ECO CENTER」のラインアップに、小型バッテリ内蔵のラックサーバー「Express5800/E120d-1」を追加すると発表した。同日より販売を開始する。

 「Express5800/E120d-1」は、データセンター用途に特化したラック型サーバー。ニッケル水素バッテリを筐体内に最大2台まで内蔵でき、外付けのUPSなしで停電対策を行える特徴を持つ。

 また、データセンターでよく利用されている大型、あるいは外付けのUPSでは、1~3年でバッテリ交換が必要となることが多いのに対し、今回採用されたバッテリは約5年間交換が不要なため、コスト削減につなげられる点もメリット。加えて、ラックに搭載されていた外付けUPSを削減できることから、設置スペースを最大で1/2に削減可能とした。

 さらに、大型UPSを導入する場合、商用電源から個々のIT機器までの給電の間に、AC→DC変換が複数回繰り返されて変換ロスが生じてしまう問題があった。しかしExpress5800/E120d-1のような小型バッテリ内蔵のIT機器では直接の給電が可能なため、2回分の変換を削減でき、ラックあたり最大5%の省電力化を実現するとのこと。またNEC独自のファン回転数制御やエアフロー設計などによって、サーバー単体でも最大14%の省電力化を実現している。

 このほか、サーバー管理エンジン「EXPRESSSCOPEエンジン」を標準搭載し、リモートでバッテリの状態監視、電源供給の状態に応じたサーバー制御が可能。停電検出時に自動的にパワーキャッピングをかける設定を行えば、停電時のバッテリ稼働時間を最大2倍に伸ばせるので、仮想環境など、サーバーシャットダウンに必要とされる時間が長い場合でも、十分な稼働時間を確保できる。

 なお、CPUはXeon E5-2400シリーズを採用。メモリは最大384GB、HDDはSATAでは4TB、SASでは3.6TBまでの搭載に対応する。

 価格は、バッテリを1つ搭載する最小構成で31万6000円(税別)から。

(石井 一志)