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日本マイクロソフト、エンタープライズソーシャル戦略を公表

YammerとSharePointのライセンスプランの変更や方向性にも言及

 日本マイクロソフト株式会社は5日、エンタープライズソーシャル戦略について、報道関係者を対象に説明を行った。

 エンタープライズソーシャルは、ボリュームライセンスユーザーに対して、12月1日からオンプレミス版を提供している次期Officeにおける、代表的な企業内活用シナリオのひとつに位置づけられるもの。米Microsoftでは、2012年6月にYammerを買収しており、この組み合わせもエンタープライズソーシャルの提案を加速するものになるとしている。

 日本マイクロソフト 執行役 マーケティング&オペレーションズのマイケル・ビールゼネラルマネージャーは、「次期Officeは、さまざまなフォームファクターに対応する『デバイス』、パーソナライズ化を含む『クラウド』、SNSとの統合などの『ソーシャル』、情報漏洩対策やデータ保持などの『管理』といった観点での機能を強化している。そのなかで、エンタープライズソーシャルは重要な要素になる」とする。

執行役 マーケティング&オペレーションズのマイケル・ビールゼネラルマネージャー
次期Officeはデバイス、クラウド、ソーシャル、管理といった柱で強化されている

 またその一方で、次期Officeのなかでエンタープライズソーシャルにおいて効果を発揮するSharePointとYammerについて、日本マイクロソフト 業務執行役員 Officeビジネス本部のロアン・カン本部長が言及。

 「リッチなコラボレーションスイートであるSharePointと、業界のなかで最先端のソーシャルネットワーキングを提供するYammerは、それぞれを補完し、力強い組み合わせになる。SharePointは、米国においては、インフォメーションワーカーの3人に2人が利用しており、11年間で20億ドルの売り上げを計上している。また、日本においても10年間にわたり、2けたの成長を遂げている。またYammerは、設定してすぐに使えるという点が評価されており、3年間で400万のユーザー、20万社以上の企業が採用している」などとした。

業務執行役員 Officeビジネス本部のロアン・カン本部長

Yammerの提供方法を変更、無償版と有償版の2種類へ

Yammerのライセンスプランの変更

 さらに、Yammerの提供方法を変更するについても説明した。

 これまで3種類あったYammerのライセンスプランについては、無償のStandardと、有償のEnterpriseの2種類に統合。Enterpriseの価格を15ドルから3ドルに引き下げる。

 また、2013年3月以降、EAのユーザーを対象に、SharePoint OnlineおよびOffice 365のE1〜4との統合プランを、現在の価格から追加コストなしに提供するという。例えば、SharePoint Online プラン1では4ドル、プラン2では8ドルのままの価格を据え置いたまま、Yammerも提供することになる。

 さらに、SharePointモバイルアプリを2013年第1四半期に提供する予定を明らかにし、Windows Phone 8向けのほか、iOS版、Android版も投入。ニュースフィードやSkyDrive Proへのアクセスを実現するという。

 カン本部長は、今後のSharePointとYammerの今後のロードマップの方向性についても触れ、「現時点では、WebパーツやOpen Graphといった基本的な連携にとどまっているが、今後は、シングルサイオンによるID管理の実現、ドキュメント管理やフィードの統合を進める。さらに将来的には、クラウドサービスで実現していく90日間のアップデートサイクルを活用しながら、より統合した環境を実現する。ほかのマイクロソフト製品との統合も進むことになる。さらに詳細な情報については、来年に公表するとこになる」(カン本部長)という。

SharePointの画面
Yammerの画面

急速に広がるエンタープライズソーシャルに対応

ソーシャルテクノロジーが爆発的に成長している
ソーシャルエンタープライズ導入の価値

 同社では、エンタープライズソーシャルが急速に広がっていることを示す。

 5000万ユーザーに到達する歳月に、ラジオが38年、テレビが13年、インターネットが4年かかったのに対して、Facebookはわずか9カ月未満で1億ユーザーにまで達した例をあげながら、「ソーシャルテクノロジーは爆発的な成長を遂げている。多くの利用者が、企業にソーシャルを持ち込んでおり、それが世界につながっている」とした。

 さらに将来的には、「すべての企業がソーシャルビジネスになり、すべてのアプリケーションがソーシャルアプリになっていくだろう。ソーシャルと技術が組み合わせるという点で、マイクロソフトはユニークな価値を提供できるポジションにある。数多くのプロダクトを通じて先進の技術を提供でき、セキュアな環境も提供できる。これにより、働き方を大きく変革していくことになる」(カン本部長)との見方を示している。

 カン本部長は、エンタープライズソーシャルの導入によって、「従業員同士のエンゲージメントを高めること」、「効果的なチームコラボレーションの実現」、「ビジネスの俊敏性を高めること」、「顧客への迅速な対応が可能になる」という4つの観点で効果が発揮できると前置きし、それぞれのメリットを説明した。

 従業員エンゲージメントでは、「トヨタ生産方式においては、なにか生産ラインで問題があった場合に、生産ラインにあるあんどんのコードを引いて、誰もが生産ラインを止めることができる。これによって品質の高い製品を生産することができる。これが従業員エンゲージメントの実例だといえる。マイクロソフトは、SharePointとYammerを提供し、会社のあらゆるレベルでディスカッションやアイデアの共有や、活発なコミュニティが促進できる。エンゲージメントの高い従業員を持つ会社は、離職率が51%低く、欠勤率を27%下げることができ、生産性が18%高く、収益性が12%高いという結果が出ている」などとした。

 チームコラボレーションでは、「ソーシャルを活用している企業は、20〜25%の生産性向上を実現している」とし、Office365やSharePoint、Yammer、Lyncの活用によって、チーム同士が都市や国をまたいでつながり、お互いに協力することでビジネス上の課題を解決できるとした。

従業員エンゲージメント
チームコラボレーション

 ビジネスの俊敏性では、SharePoint、Yammer、Lync、Office365、Exchangeの活用によって、コミュニケーションの障害を取り払い、従業員が価値を生み出すのに必要な声、情報、ツールを提供できるとし、「ある小売店では、成功した事例に関して、プロジェクトプランや写真を共有することができた」などと語り、さらに「ビジネスの変革や、組織の変革で成功した企業の64%が、ソーシャルを活用している企業であるという結果が出ている」などと語った。

 顧客への対応では、「特に日本では、お客さまは王様であるという認識があり、迅速に顧客対応に取り組む姿勢がみられている」とし、業務時間のうち、60〜80%が例外処理に費やされていることを示しながら、「SharePoint、Yammerを活用し、顧客がなにを考えているのかを知ることが問題と機会への対応の第一歩になる」などとした。

ビジネスの俊敏性
顧客への対応

 また、カン本部長は、「Officeの評価版をダウンロードして、そのなかで、ぜひソーシャル機能を体験しほしい。また、Yammerへのトライアルサインアップもお願いしたい。そして、エンタープライズソーシャルセミナーにも参加してほしい」などと呼びかけた。

 一方、ビール執行役は、「マイクロソフトにとって、2013年度は数多くの製品が登場する大きなイノベーションの1年になっている。それぞれのプロダクトの成果を最大限にもっていかなくてはならない」とし、「3大製品の第1走者であるWindows Server 2012は、東京海上日動火災保険や三井物産、JR東日本情報システム、gloopsなど幅広い企業が採用されている。第2走者であるWindows 8は、発売から約1カ月を経過し、全世界で4000万本以上のライセンスを出荷している。そして、第3走者となるのが次期Officeであり、インフォメーションワーカーに革新をもたらすものになる」などと語った。

さまざまなトライアルに参加してほしいと呼びかけた

(大河原 克行)