日本HP、Itanium 9500を搭載した「HP Integrity」新5機種

HP-UXを長期間安心して使ってもらうための施策も


 日本HPは28日、ミッションクリティカルシステム「HP Integrity」において、最新のItanium 9500製品ファミリーを搭載した新製品を発表した。


Itanium 9500製品ファミリーを搭載した計5機種を投入

新製品ラインアップ

 投入するのは、ハイエンドの「HP Cell Blade 900s i4」を搭載した「HP Integrity Superdome 2」、ブレードサーバー「HP Integrity BL890c/BL870c/BL860c i4」、ラックマウントサーバー「HP Integrity rx2800 i4」の計5機種。

 HP Integrity Superdome 2では、従来製品と比べプロセッサコアが2倍になり、最大3倍の性能向上を図った。また、Itanium 9500製品ファミリーが実装する命令実行中のエラーを検知して自動的に再実行する「インストラクション・リプレイ」機能などにより、信頼性が向上している。

 さらにItanium 9500製品ファミリーと従来のItanium 9300番台のCPUリソースを筐体を越えて共有する「GiCAP(Global Instant Capacity)」機能も搭載する。これにより、既存のプロセッサ資産を生かしながら、8コアの最新プロセッサの高性能を柔軟に活用できるとのこと。

 参考価格は2925万3000円。2013年1月中旬に出荷する予定。

HP Integrity Superdome 2

 ブレードサーバーでは、最大8ソケットを搭載するBL890c i4、最大4ソケットを搭載するBL870c i4、最大2ソケットを搭載するBL860c i4をリリース。上位2機種となるBL890c i4/BL870c i4では、新たに電気的分解が可能な物理パーティション技術をサポートする。これにより、サーバーの筐体内を複数の物理パーティションに分けて、個々のパーティションにおいて別々のOSインスタンスを走らせることが可能となる。また、Itanium 9500製品ファミリーと低電圧DIMMにより、最大21%の低消費電力化を実現している。

 参考価格は、BL890c i4が1586万3400円、BL870c i4が727万400円、BL860c i4が186万5850円。いずれも2012年12月中旬に出荷する予定。

HP Cell Blade 900s i4

 ラックマウントサーバーのrx2800 i4でもコア数を倍増、最大3倍の性能向上を図った。加えて、エネルギー消費効率の改善によりENERGY STAR認定を受けている。

 参考価格は173万1450円。2012年12月中旬に出荷する予定。


HP-UX搭載サーバーを安心して末永く利用してもらうための施策

ビジネスクリティカルシステム製品本部 部長の栄谷政己氏

 今回の新製品発表に併せ、HP-UXコミュニティ強化施策として、HP-UXをOEM提供する国内ベンダー各社と「HP-UX テクノロジー・コンソーシアム」を設立する。

 「顧客の要求を正しく把握し、まとめ上げ、優先度を明確にして、開発部門と協議することで、HP-UXを市場の要求に沿って機能や品質を強化する活動を、OEMパートナーとともに進めていく」(ビジネスクリティカルシステム製品本部 部長の栄谷政己氏)のが目的。

 設立時点での加盟企業は、日立、MDIT、NEC、OKIおよび日本HP。今後はエンドユーザーも含めたコミュニティ活動に発展させ、顧客にHP-UX搭載サーバーを長い間安心して使ってもらうための活動を推進する。

 また、HP-UXサポート期間も新しいCPUが登場するたびに延長。完全な互換性を維持しながら、機能強化を継続し、かつ将来のCPUにも同一OSが長期間利用できる環境を整える。

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