楽天、A10のロードバランサー「AX 2600GF」を採用~従来の半数以下への台数集約を実現


AX 2600GF

 A10ネットワークス株式会社は23日、楽天株式会社が、A10ネットワークスのロードバランサー「AXシリーズ」のうち、「AX 2600GF」を採用したと発表した。楽天ではこれによって、ネットワークインフラ強化と、従来の半数以下の台数への集約を実現したという。またあわせて、10Gigabit Ethernet(GbE)インターフェイスを搭載したAXシリーズが、新しく構築された楽天のプライベートクラウド基盤に採用されたとのこと。

 大規模インターネットショッピングモールを運営する楽天では、これまでもトラフィックの伸びにあわせてシステムの拡大を行ってきたが、機器台数が増加することにより、メンテナンス工数の増加や、管理コスト、ラックスペース、電源コストの増大などに悩まされていたという。

 そこで楽天では、高性能なロードバランサーの導入によるネットワークの最適化と機器の集約に着手し、数カ月におよぶ検証を経て、A10ネットワークスのAX 2600GFを採用した。楽天ではその理由として、同シリーズが持つコストパフォーマンスの高さを挙げている。

 なお現在は、AX 2600GFを中心としたAXシリーズが楽天の各サービスで利用されており、数十Gbpsのトラフィックが処理されているが、信頼性の高いネットワークインフラが実現されただけでなく、大規模なイベントの際でも想定以上の急激なトラフィック増加に耐える、安定したサービス提供が可能になったとのこと。

 あわせて、ロードバランサーの台数が削減されたため、管理負荷を軽減されたほか、ラックコストや消費電力の節減にも効果があったとしている。さらに楽天では、従来の1/3の台数にまで削減を進める予定だ。

 また楽天では、新サービスの開発、運用のための新しいプライベートクラウド環境に10GbEを搭載したAXシリーズを採用し、1台のAXを仮想的な複数のパーティションに分割するApplication Delivery Partition(ADP)機能と仮想ネットワークを組み合わせて、1台の筺体内に異なる環境、異なる構成のロードバランサーを構築した。冗長性についても、ADPや、パーティション単位でのHA構成を可能にするVRRP-A機能を活用して、N+1で冗長性を確保している。

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(石井 一志)
2012/8/23 13:50