Amazon Web Services、アーカイブ/バックアップ向けのクラウドストレージ「Amazon Glacier」


 米Amazon Web Services(AWS)は20日(米国時間)、従来よりも低価格なクラウドストレージサービス「Amazon Glacier」を発表した。アクセス頻度は低いものの、保管し続けることが重要なデータ向けに設計されているとのことで、アーカイブやバックアップ、コンプライアンス関連データの保管などに適しているという。

 「Amazon Glacier」は、アーカイブやバックアップなどで利用するのに適したクラウドストレージサービス。保存されたアイテムにつき年平均99.999999999%の耐久性を提供するよう設計されているほか、自動的に全データを複数のデータセンターで複製し、継続的にデータの完全性・整合性をチェックする仕組みによって、高い可用性を実現しているという。さらにデータはAES 256ビットで暗号化され、変更不可能な形式で保存される。

 Amazon GlacierではAWSの他のクラウドサービスと同様、容易に拡張・縮小が可能なため、キャパシティプランニングなど事前の複雑なシステム設計作業は不要。初期費用なし、使った分だけの課金で利用できることから、ハードウェアや運用のコストを気にすることなく、大量のデータを安全に保管できるとした。

 クラウド上にデータを保存するには、ボルト(vault)と呼ばれるデータの塊を作成し、そのデータをAWSへアップロード(アーカイブ)するといった手順を踏む。各アーカイブは最大で40TBのデータを保存でき、1つのAWSアカウントでは、1リージョンあたり最大1000ボルトを作成可能だ。

 なお、すでに提供されているクラウドストレージサービス「Amazon S3」とは異なり、迅速なデータの取り出しは行えない。Amazon Glacierでは、データの取り出しリクエストはキューに蓄積され、Amazon S3よりもゆっくりとしたペースで処理されるので、アーカイブのダウンロードは3~5時間で可能になるという。

 また取り出しリクエストの価格についても異なり、Amazon S3よりも高めに設定されている。月間平均ストレージ容量の5%以内の取り出しリクエストは無料だが、それ以上になると0.01ドル/GBの費用が発生するため、ひんぱんにデータの取り出しが必要な場合は、Amazon S3よりも逆に高価になる可能性があるとのこと。

 なお、サービスは米国東海岸(北バージニア)、米国西海岸(北カリフォルニア)、米国西海岸(オレゴン)、西ヨーロッパ(アイルランド)、東京の各リージョンで利用できる。データの保管費用は、米国東海岸リージョンの場合で月額0.01ドル/GB、東京リージョンの場合で月額0.012ドル/GB。データ転送については、アップロードは無料だが、ダウンロードは最初の1GBを超える場合に費用が発生し、米国東海岸リージョンが0.12ドル/GB、東京リージョンが0.201ドル/GBなどとなっている。

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(石井 一志)
2012/8/22 11:50