デル、ビジネス向けPCモデル15製品を発表~ボリュームゾーン製品もvPRO対応に
デル株式会社 マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 部長 伊田聡輔氏 |
デル株式会社は6月12日、企業向けPCのデスクトップPC「Dell OptiPlexシリーズ」、ノートPCの「Dell Latitudeシリーズ」、「Dell Vostroシリーズ」のノート製品、計15製品を発表した。Vostroシリーズ3製品は6月12日発売、それ以外の12製品は6月5日に発売済み。
デル株式会社 マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 部長 伊田聡輔氏は、「以前はオフィス内の有線LANにつながったPCで会社のデータにアクセスできれば良かったが、現在は都市部であれば、ほぼどこでもネットに接続できるようになった。また、以前は会社で使うマシンは同一機種を大量導入することで管理も含めコストを下げるというのがセオリーだったが、BYODに代表されるように、現在は業務の内容に合ったマシンを選ぶようになっている」とビジネス環境におけるPCニーズも変化していることを指摘。
こうしたビジネス環境の変化の中で、管理コストを増大させずに、いつでも、どこでも、どの端末からでも、同じデータにアクセスできるなど、ユーザーの働き方やニーズをよりきめ細かくITに反映させることが求められているとした。
伊田氏は、「こうしたニーズに対してデルは、(1)技術革新によるアプローチ:新CPUによる性能向上、シャーシ改良による管理コスト削減、携帯性の向上、暗号化HDDや指紋認証などの導入によるセキュリティの向上など、(2)システム改善によるアプローチ:ソフトウェアアプライアンスなどを使った管理性の向上、VDIなど仮想化技術の導入、スレートPCやスマートフォンなど複数端末の併用など、の2つの面からエンドユーザーのニーズに応えていく」と述べた。
具体的には、デスクトップ仮想化ソリューション、Intel vPro実装マシンのラインナップ拡充や、自社製管理アプライアンスであるDell KACEによるリモート管理機能の強化に注力する。ハード面では、最新のCPUやチップセットの採用だけでなく、タワー型デスクトップ機では、きれいなケーブル配線や外しやすい電源ユニットなど、現場の作業効率を追求したメンテナンス性を考慮した設計を採用したと説明。
また、シンクライアントと仮想デスクトップ製品で知られるWyse Technology買収に代表されるように、エンド・ツー・エンド・ソリューションを強化する戦略的な買収も進めていくとした。
VDI導入事例 | vProによるリモート管理導入事例 |
企業の従業員、IT部門を取り巻く環境の変化 | エンド・ツー・エンド・ソリューションを強化する戦略的な買収 |
■デスクトップPC「OptiPlexシリーズ」新製品
新製品は最新の第3世代インテルCoreプロセッサーとチップセットを採用。またどの筐体でもUSB 3.0×4ポートを標準搭載した(3010はAdd0onPCIで拡張)。メモリも上位機 OptiPlex 9010のMT/DT/SFFでは最大メモリ32GBまで拡張可能にし、Intel vProをボリュームゾーン製品である7010でもサポート。ビデオポート数も強化し、7010/9010では3台のディスプレイが接続可能になった。
ハードウェアからコンサルまで一気通貫で提供できるのがデルの強味。サーバーでは当たり前となった仮想化の利便性をクライアント機でも提供していく | ビジネス向けPCのラインナップ |
Optiplex Eシリーズ新製品の位置づけ | Optiplex Eシリーズ新製品のおもな強化点 |
プレミアムモデルのOptiPlex 9010は筐体をウルトラスモールファクタ(USFF)、スモールフォームファクタ(SFF)、デスクトップ(DT)、ミニタワー(MT)から選択可能。CPUは、第2世代Pentium、第2世代Core i3、第3世代Pentium、第3世代Core i3/i5/i7から選択可能。Core i5/i7を選択すれば、vProが利用できる。
OSはWindows 7 Ultimate/Professional/HomePremium(32/64bit、日本語版/英語版)、Ubuntuから選択可能。ストレージはいずれもSATA接続で3.5インチ(最大1TB)、2.5インチ(最大500GB)、2.5インチハイブリッド 500GB、320GB Opal SED、SSD 128GBから選択。RAID 0/1をサポート(USFF筐体除く)、デルのフレキシブルコンピューティングソリューションのディスクレスオプションもサポートする。
ネットワークは内蔵のIntelギガビットLANのほか、オプションでBroadcom NetXtreme 10-/100/1000 PCIeカード、Dell のIEEE 802.11n対応の無線LAN PICeカードまたはハーフmini PCIeカード(USFF筐体)を用意。グラフィックスは各CPU搭載のほか、オプションでNVIDIA GeForce GT640(MT筐体)、AMD RADEON HD7470/7570が選べる。
価格は、OptiPlex 9010が最小構成(DT筐体)で11万9682円から。なお、OptiPlex 9010 XLモデルは長期サポートを提供するOEM専売モデルで、個別見積もりとなる。
一体型モデルのOptiPlex 9010 AIO(All in one)モデルは、CPU、OS、ストレージは9010と同じ。 ネットワークは内蔵のIntelギガビットLANのほか、オプションでハーフmini PCIeのIEEE 802.11n対応、または802.11n+Blutooth対応の無線LANアダプタを用意する。グラフィックスはCPU搭載のグラフィックスのみでオプションは選択できない。ディスプレイはアンチフレア加工の23インチワイド(1920×1080ドット)を内蔵。価格は14万52円から。
9010の筐体は4タイプから選択可能 | 左が9010 AIO、中央が9010のUSFF筐体、右がDT筐体 |
ミッドレンジモデルのOptiPlex 7010は、ストレージでRAID 0/1のサポートがない点と、グラフィックのオプションではNVIDIA GeForce GT640が省かれている点を除いて、選択できる筐体や内蔵のハードウェアは9010と同じ。価格は最小構成のDT筐体で11万2174円から。
スタンダードモデルのOptiPlex 3010は、筐体はMT、DT、SFFから選択。内蔵オプションについては、9010と比較して違う点は、CPUはCore i7が省かれ、第2世代のCeleronプロセッサーが用意されている。またHDDは3.5インチSATA(最大1TB)かディスクレスのみ。ネットワークはUSFF筐体がないためハーフminiPCIeカードのオプションがなく、グラフィックのオプションではNVIDIA GeForce GT640が省かれている。価格は最小構成のDT筐体で10万3932円から。
DT筐体の背面と正面 | DT筐体の背面上部 |
ビジネス向けノートPC「Latitude Eシリーズ」の強化点は、Intel vPro対応によるリモート管理機能の強化がまず挙げられる。そのほか、オプションでスマートカード(接触型・非接触型)、指紋認証に対応し、Energy Star 5.2に準拠した。
USB 3.0に標準対応し、バッテリはオプションの9セル+バッテリスライス+ベイで約32時間のバッテリー駆動が可能で、オプションで1時間の充電で80%充電するExpress Chargeに対応できる。メモリは最大8GB、SSDは最大256GB。
価格は、15.6インチHD LED液晶を搭載したフラッグシップモデルのE6530が最小構成で16万7900円から。14インチHD LED液晶を搭載し、ディスクリートグラフィックスなど高性能モデルのE6430が最小構成で16万1150円から。E6430の堅牢性を高め、屋外作業でも利用可能にしたE6430 ATGが最小構成で21万3700円から。
13.3インチHD WLED液晶でタッチスクリーン対応、1.67kgと比較的軽量なE6330が最小構成17万1700円から。モバイル向けで筐体の厚みが2.5cm、重量1.4kgで12.5インチHD WLED液晶搭載のE6230が最小構成15万6860円から。
15.6インチHD LED液晶を搭載したE5530が最小構成13万6800円から。14インチHD LED液晶を搭載したE5430が最小構成13万5700円から。
Latitude Eシリーズ | Intel新プラットフォーム販売開始に合わせたマイナーチェンジとvPro対応機種の拡充が主なポイント |
Latitude Eシリーズの各製品の位置づけ | Latitude Eシリーズの世代間比較 |
6月12日に発売されたノートPC「Vostroシリーズ」は、最新のプロセッサーなど最新性能を搭載しつつ、コストも重視。Intel Rapid Start Technologyにより迅速な起動を実現した。データ暗号化ソフト(degital/Persona)を標準搭載する。また、USB 3.0も標準搭載、Bluetooth 4.0に対応する。旧シリーズの2倍にあたる、最大600回の充電までをサポートした。
上述のLatitude Eシリーズが大量導入でも安定供給できる運用性、継続性を重視したシリーズであるのに対して、「Vostroシリーズ」はスペックを重視した価格性能比を高めたSMB市場向けのシリーズとなっている。
サポートはLatitudeシリーズが3年間のプロサポートを標準としているのに対して、1年間の製品保証サポートとなるが、オプションでLatitude同様のプロサポートも選択できる。
価格は15インチ液晶搭載のVostro 3560が5万4980円から、14インチ液晶搭載のVostro 3460が5万7980円から、13インチ液晶搭載のVostro 3360が5万4980円から。
今回発売されたVostroシリーズのノートPC 3製品 | 今回のVostroシリーズ 3製品の特長 |
Vostroブランドの位置づけ | Optiplex/LatitudeシリーズとVostroシリーズの違い |