東工大の情報生命博士教育院、オブジェクトストレージ「WOS」を学内インフラに採用


 SCSK株式会社は4日、米DataDirect Networks製のオブジェクトストレージ「Web Object Scaler(WOS)」を国立大学法人東京工業大学(以下、東工大) 情報生命博士教育院に導入したと発表した。5月より本格稼働を開始している。

 「WOS」は、プラットフォームの違いに関係なくファイルアクセスが可能な、分散ファイルシステムを採用したオブジェクトストレージ製品。iPhoneなどのモバイル端末からのアクセスもサポートするほか、1000億以上のオブジェクトを管理可能なスケーラビリティを備え、4Uサイズに180TBの物理容量を収納できる。また、代表的なオブジェクトストレージであるAmazon Web ServicesのAmazon S3との互換性も備えている。

 一方、東工大では、生命科学と情報科学の複合領域でグローバルに活躍する人材の養成を目指し、2011年12月に、バーチャルな教育組織である情報生命博士教育院を学内に発足させた。そして、この環境における情報の共有インフラとして、クラウド環境に適した、データアクセスのフレキシビリティやセキュリティに優れるストレージシステムを探していたところ、オープンな開発環境を備え、モバイル端末からのアクセスが実現できる点などを評価して、「WOS」を採用したという。

 なお情報生命博士教育院はこの導入により、のべ数百人におよぶ教員・学生間でさまざまなファイルを共有可能になったとのこと。実際の利用形態としては、同院で実施される授業科目や、各種ワーキングループなどさまざまな場面で、ドキュメントや画像、実験データなどの多様なフォーマットのファイルを共有し、協調活動を支援することを主な用途として想定している。

 特に、情報共有の手段がWindowsやMac OS X、Linuxなどの多彩なPC環境から、iOS端末やAndroid端末といったスマートデバイスへ広がることで、例えば「健康モニタリング」などの演習課題実施時において、活動範囲や応用事例を劇的に広げる効果が期待されているとした。さらに、WOSのベース部分であるWOS-CoreのKVSを利用し、同院用に開発するアプリケーションのデータストア領域としても利用が見込まれているとした。

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