ワイズのシンクライアント端末が東京三菱UFJ銀行に採用、国内最大の5万台規模で


 ワイズテクノロジー株式会社(以下、ワイズ)は10日、株式会社三菱東京UFJ銀行が、同行の行内端末の約9割にあたる5万台のシンクライアント端末を採用したと発表した。台数としては国内最大規模の事例になるという。

 三菱東京UFJ銀行では2008年から、膨大な個人情報が集約される行内OA環境の情報セキュリティ強化策として、シンクライアント端末による仮想デスクトップ環境(VDI)への移行を検討。複数の候補製品の中から、ワイズのシンクライアントを選択した。

 選定された理由は、マルウェアによるセキュリティ侵害リスクがつきまとうWindows OSではなく、VDIに特化した独自のWyse ThinOSで動作すること、管理性に優れ低コストで導入可能なこと、ハードウェアの信頼性・耐久性が高いことなどが評価されたため。

 端末は、デスクトップ型の「Wyse C10LE Thin Client」に加え、「ノートPCを使いたい」という要望が多くの行員からあがったことから、Wyse ThinOS版ではラインアップされていなかったノートPC型のシンクライアントを三菱東京UFJ銀行と共同開発・導入し、こうした要望に応えたとのこと。

 システムとしては、約1年かけて行った基礎検討の結果、VMware vSphereおよびVMware Viewを用いており、デスクトップPCのリソースをブレードサーバーやストレージに集約し、Wyseシンクライアントからアクセスするといった形態をとる。

 なお三菱東京UFJ銀行のVDIへの移行は、2010年から2012年にかけて4段階に分けて行われる計画で、2010年1月には第一段階として、システム部の端末のうち約3000台を導入。続いて、2011年1月に本部の端末のうち約5000台、同年5月にシステム部の残り約4500台を移行した。今後、最終段階として2012年3月までに、本部の残りと支店の端末をシンクライアントに置き換える予定である。

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(石井 一志)
2012/4/10 16:17