ブロケードのロードバランサー「ServerIron ADX」、GMOアプリクラウドで100台以上が稼働


ServerIron ADX 4000

 ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社(以下、ブロケード)は8日、GMOインターネット株式会社へのアプリケーションデリバリスイッチ「ServerIron ADXシリーズ」の納入が100台を超えたと発表した。

 「ServerIron」はもともと、Foundry Networksが提供していたロードバランサー製品で、「ServerIron ADXシリーズ」は、2009年に発表されたその中でも新しい製品の部類に入り、最大70Gbpsのレイヤ4-7スループット、最大1億2800万の同時コネクション数をサポートするなど、高い性能を持つ。

 GMOインターネットでは、ソーシャルアプリの開発支援プロジェクト「アプリやろうぜ! by GMO」を2010年3月に立ち上げているが、このプロジェクトで「ServerIron ADXシリーズ」を採用。その後、ソーシャルアプリ提供者向けのインフラである「GMOアプリクラウド」でも継続して利用し、現在では100台以上の同シリーズが導入されているという。

 「GMOアプリクラウド」は現在、300社以上のソーシャルアプリ事業者が利用しており、日々新しいアプリ(ゲーム)が追加されている状況。しかしどのゲームがどのくらいヒットするかは事前にわからないため、エンドユーザーの快適なプレイ環境を維持するためには、突発的なアクセス集中に対応できる、高いパフォーマンスと柔軟性が求められていた。

 こうした要件を踏まえて、GMOインターネットではF5ネットワークス、シトリックス、A10 Networksなど著名なベンダーの製品を比較したが、スペック通りのパフォーマンスがきちんと提供される点、コストパフォーマンスに優れる点、メーカーと販売代理店(この案件では日商エレが担当)の連携によって十分なサポートが得られる点などを評価し、「ServerIron ADX」を選択したとのこと。

 GMOインターネット システム本部 サービス開発部 ネットワークチームの佐藤嘉昌アシスタントマネージャーは、「10Gbpsに対応する製品を比較したが、他社の製品では、そもそもスループットが出ない、期待した動作をしないといった問題があったほか、要求スペックは満たしていても価格が高いものもあった。ServerIron自体は長く使っていたのでそのナレッジはあったし、要件を満たしているモノの中では、『ServerIron ADX』はコスト面で2割は安く、結局はこれを採用した」と、その採用理由を説明する。


GMOアプリクラウドの抱えていた課題ServerIron ADXシリーズの採用理由
導入後のメリット

 また導入後は、高いスループット性能と低遅延という特長を生かし、アクセス負荷の変動が激しい環境にもきちんと対応。安定性と信頼性に優れたサービス基盤を構築できたことで、顧客満足度も向上できたとした。

 なお、現在はデータセンター内のレイヤ2スイッチのネットワークなどとは別々に管理が行われているが、仮想化によって多くのサーバー数が集まっており、レイヤ2のMACアドレス数をそろそろ意識する必要が出てきたとのこと。こうした状況を解決するために、フラットで大きなレイヤ2環境を構築できる、ブロケードの「Brocade VDXシリーズ」などの利用も検討していくとした。


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