NTTソフト、電話やメールを履歴を残さず使えるAndroidアプリ


 NTTソフトウェア株式会社(以下、NTTソフト)は8日、スマートフォンにデータを残さず電話やメールを安全に利用可能にするAndroidアプリを発表した。次世代オフィスソリューション「ProgOffice セキュアオフィスシリーズ」の新オプションとして2012年春に発売する。価格とiOS対応は現在検討中。

ProgOffice セキュアオフィスシリーズのラインアップスマートフォンのセキュリティ課題を解決するポイントとして「端末に情報を残さない」「端末の監視・防御」「社内アクセスへの制限」を挙げる。新サービスもこの3つを念頭に置いたもの

 電話やメールを安全に利用できるAndroidアプリ。端末には、アドレス帳、発着信履歴、メール内容、添付ファイルを保存しないのが特徴。社内サーバーにデータを一元化し、Androidアプリからリモートアクセスして利用する。端末紛失による情報漏えいリスクがなくなるため、個人端末の業務利用(BYOD)が可能になるという。

ProgOffice専用アプリからのログイン時に多要素認証を採用

 社内に設置するProgOfficeサーバーに、ProgOffice専用アプリからアクセス。「アカウント認証」「端末認証」「アプリケーション認証」の多要素認証でなりすましなどを防止する。ProgOfficeサーバー上には「ネットワーク電話帳」と「セキュアメール」の機能が搭載されており、Android端末からProgOfficeを経由して電話やメールを利用する。

 電話発信の場合、着信相手には端末の電話番号ではなく、会社の番号で着信する。着信の場合、通常、端末に登録されていない番号は相手の名前などが表示されないが、ProgOffice専用アプリがサーバーと通信して、相手の情報をポップアップしてくれる。ProgOfficeを経由した発着信の場合は、端末に通話履歴などが残らないのがメリットだ。また、通話機能自体は端末の標準機能を利用するため、プライベートな友人などは端末内の電話帳に登録して使い分けることも可能。

ネットワーク電話帳の概要。端末本体にあった重要な情報(アドレス帳・発着信履歴など)を、ProgOfficeサーバーで一元管理発着信の際の動作や仕組み
セキュアメールの概要。メール本文や添付ファイルは閲覧のみで、端末には一切残らない

 セキュアメールは、GmailなどのWebメールを使うような感覚で利用できる。Gmailとの違いは端末にメールの内容や添付ファイルが一切保存されない点。添付ファイルはネットワークを通じて閲覧することが可能で、スマートフォン特有のタッチ操作で快適に閲覧できる。

 このほか、MDM(スマートデバイス管理)などのセキュリティ機能も提供する。ProgOffice専用アプリの不正利用を守る仕組みとして、アプリの改ざん検出、リバースエンジニアリング対策、連続して認証に失敗した際のアカウントロックなどを搭載。端末の紛失・盗難時のリモートロック・ワイプ機能も備えるほか、端末にインストールするアプリから不正なものを検出し利用を禁止する機能や、ProgOffice専用アプリを自動削除する機能を備える。

 発売は2012年春。商品化とともにNTTソフト自社導入も順次行う。また、スマートフォンのビジネス利用をさらに促進するため、ウイルスや不正アプリインストールなどの問題を解消する取り組みも行うほか、ビジネスマンの機動力向上を目指し、セキュリティ以外にも業務で利用するシステムやクラウドサービスなどとの連携機能を開発する方針。

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(川島 弘之)
2011/12/8 16:04