徳島大学、ハイブリッドクラウドを活用したNECの大学向けICT環境を採用


 日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、ハイブリッドクラウド環境を用いた大学向けICT環境を、国立大学法人徳島大学が採用したと発表した。プライベート/パブリックの両クラウドとオンプレミスを組み合わせて利用する。運用開始は2012年3月の予定。

 具体的には、まず、学生8000名、教職員3000名のユーザーが利用する基幹業務システム(教育用システムや教務システム)を、学外のデータセンターを活用したプライベートクラウド環境へ移行する。これにより、計画停電時や災害発生時もシステムを止めない、24時間365日のサービス継続を実現するという。さらに、教職員や学生が保有する情報はデータセンターで管理されるため、高いセキュリティを確保できるとのこと。

 一方で演習用システムには、オンプレミス型のネットブート型シンクライアントシステムを採用した。これは、PCの起動時間や一斉型実習時のパフォーマンスを重視したためで、約850台の実習用端末を演習室などに設置する一方、OSや教育向けアプリケーションはサーバーで集中管理する仕組み。端末内に個人データを保存しないので、セキュリティの強化とサーバー一括管理によるシステム運用の効率化を実現しているという。なおシンクライアントシステムでは、教室外からも利用できる仮想デスクトップ環境も用意しており、リモートアクセスによる自習環境の拡充を図る。

 また、メールサービスには日本マイクロソフトの「Office 365 for Education」を、ポータルサービスはセールスフォースの「Chatter」をベースしたものを、それぞれ採用。これらのパブリッククラウドサービスの利用により、料金を低コストに抑えながら、サービスレベルを向上させたとした。

 加えて徳島大学では、利用者のID管理負担を軽減するために、従来は個々に管理されていた学内のシステムを、NECの統合認証サービス「SECUREMASTER」などを用いて統合し、1つのIDで学内の多くのシステムへログオンできるシングルサインオン(SSO)環境を実現している。

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(石井 一志)
2011/11/21 13:14