日本インフォア、業界・業種特化型アプリケーションのスイート製品を発表

コンシューマ製品レベルの使いやすさを実現


日本インフォア・グローバル・ソリューションズ 代表取締役社長の村上智氏
米Infor Global Solutions マーケティング&ストラテジー担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのディーン・ヘーガー氏

 日本インフォア・グローバル・ソリューションズ株式会社は10月25日、業界・業種特化型アプリケーションのスイート製品「Infor10(インフォア・テン)」を発表した。

 新製品の発表にあたって、日本インフォア・グローバル・ソリューションズ 代表取締役社長の村上智氏は、「現在、多くの企業において、グローバルレベルでの経営の可視化やサプライチェーンの構築、ITガバナンスの強化が経営課題となっている。こうした中、当社では、企業のグローバルでの競争力強化を支援するため、今回、新たなスイート製品『Infor10』を発表する。これは、単なる新製品というだけでなく、新生インフォアとしての新しいビジョンでもある。『Info10』によって、優れたユーザーエクスペリエンス、業界・業種に特化したエンドツーエンドのソリューション、エンタプライズアプリケーションの既成概念を覆すプラットフォームを提供していく」と述べている。

 「Infor10」は、目まぐるしく変化するビジネス環境において、「スピード」を重視したソリューションで、(1)完全な業界・業種特化型アプリケーションの統合、(2)コンシューマ製品レベルの使いやすさ――を実現している点が大きな特徴となっている。米Infor Global Solutions マーケティング&ストラテジー担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのディーン・ヘーガー氏は、「汎用的なERPアプリケーションの時代は終わったと考えている。今後、ERPアプリケーションが真の意味で顧客に役立つためには、目的別に特化していく必要がある。業界・業種に特化した『Infor10』では、顧客のビジネスに今までにないスピードと効率化をもたらすことができる」と、「Infor10」のメリットを強調している。

 対象となる業界は、航空宇宙・防衛、自動車、化学、流通、機器サービス管理・レンタル、ファッション、食品、製造、医療、ハイテク、ホスピタリティ事業、産業機器・機械類、公共事業。これら13の業界向けに、Inforおよび同社が7月に買収したLawson Software社のERPとの豊富な機能連結を可能とし、各業界に特化したソリューションを提供する。これにより、業界固有の問題に対して細かい設定なしで対応できるだけでなく、広範囲のカスタマイズをする必要もなくなり、製品導入を迅速に行うことが可能となる。

「Infor10」のホーム画面

 もう一つの特徴である「コンシューマ製品レベルの使いやすさ」については、新しいユーザーインターフェイス「Infor10 ION Workspace」を搭載している。「Infor10 ION Workspace」では、各ユーザー向けのすべての関連情報を1つの画面上に集約して表示する。画面に表示されるのは、役割ベースのワークフロー、タスクおよびアラート、状況に応じたビジネスインテリジェンス、イベント管理、ソーシャルメディア・コラボレーション、コンシューマ製品感覚の検索機能、および業務活動のストリームなどで、「ユーザーは『Infor10 ION Workspace』を活用することで、エンタープライズアプリケーションをコンシューマ製品のような感覚で扱えるようになり、従来までの仕事のやり方を変革することができる」(ヘーガー氏)としている。

 また同社では、「Infor10」の基盤となるミドルウェア「Infor10 ION Suite」を新たに開発している。「Infor10 ION Suite」は、Inforのアプリケーションと同社以外のアプリケーションをつなげて統合し、情報を共通の形式で同じリポジトリ内に格納する。これにより、ユーザーは、アプリケーション間を流れる情報、分析データおよびソーシャルメディアのストリームに、自分のデスクトップやノートPC、モバイルデバイスからアクセスできるようになる。

InforアプリケーションとInfor以外のアプリケーションを統合する基盤となる「Infor10 ION Suite」「Infor10 ION Suite」によりアプリケーション間を流れる様々な情報へのアクセスを実現

 「従来のエンタープライズ・サービス・バスとは異なり、軽量かつオープンスタンダードを使用して構築されているのが『Infor10 ION Suite』の特徴だ。そのため、既存のアプリケーションの上に重層化することなく、アプリケーションの内部に埋め込むことができ、統合の迅速化と信頼性向上を実現する。そして、新規や既存のInforアプリケーションとInfor以外のアプリケーションが統合ソリューションとして機能することが可能となる」とヘーガー氏は説明する。

 このほか、「Infor10」では、クラウドでの運用管理を可能にする「Infor10 CloudSuite」も提供する。ユーザーは、「Infor10 CloudSuite」上で自社の全ソリューションを稼働させることも、また中核となるエンタープライズシステムを社内に置き、それ以外のアプリケーションやサービスをクラウド内で稼働させることもできる。機能へのアクセスをクラウドモデルから行う場合も、社内展開から行う場合でも、得られる機能とルックアンドフィールは同じで、統一されたユーザーエクスペリエンスとセキュリティを実現。さらに、すべての展開モデルに同じアプリケーションコードが使われているため、1つの展開モデルから別の展開モデルへ移行することも可能となっている。


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(唐沢 正和)
2011/10/26 06:00