「データベース改革推進アライアンス」にSIer6社が参画、顧客のアセスメントを日本HPと推進
日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は4日、「データベース改革推進アライアンス」のアライアンスパートナーを拡大すると発表した。新たに6社のSIerが参加し、データベース標準化に向けた施策をさらに加速するという。
「データベース改革推進アライアンス」は、日本HPをはじめとするデータベースベンダー6社が共同で立ち上げたもので、データベースの標準化により、システム移行性を確保することが目的。日本HP 常務執行役員 エンタープライズアライアンス営業統括本部長の吉谷清氏は、「これからのITシステムではクラウド技術の採用は必須になるが、従来型システムはベンダーが一体化システムとして構築しており、特にデータベースがベンダーロックインされてしまっている」という点を指摘。「これを何とか標準化していこうと、データベースベンダーと立ち上げたのが本アライアンス」と、この位置付けを説明する。
既存システムにおける課題 | 日本HP 常務執行役員 エンタープライズアライアンス営業統括本部長の吉谷清氏 |
日本HPが提供しているサービス |
もっとも、すぐに既存データベースを移行できるかといえば、そんなことはなく、現在は既存データベースを使いながらSQL標準化を進めて、マイグレーションに向けた準備をしていく段階だが、企業の関心は高い。日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 製品戦略室 室長の山中伸吾氏によれば、日本HPが開催しているデータベース移行のセミナーでは、「50名ほどの会場が毎回ほぼ満杯になるほど盛況で、データベースの標準化などについて相談したいというお客さまが4割以上と、近年まれに見る引きの強さ」なのだという。
こうしたニーズを受けて、日本HPでも20社以上の大手企業に対してアセスメントサービスを提供しており、顧客企業のデータベース移行へ向けた道筋の検討を支援している状況だが、日本HP1社では、できることに限界があるのも事実。もっともっとこうした考え方を広めていくためには、「お客さまの身近な存在であり、そのシステムを深く理解しているSIerの協力が不可欠である」(山中氏)と考え、日本HPと関係の深いSIerをアライアンスパートナーにスカウトした。
メンバーは以下の通り。
・株式会社日立ソリューションズ
・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)
・日本ユニシス株式会社
・株式会社エヌ・ティ・ティデータ
・TIS株式会社
・東芝ソリューション株式会社
データベース改革推進アライアンスのメンバー | 4月以降の代表的なデータベース改革案件 |
活動としては前述の通り、「多くのお客さまに具体的な道筋をお伝えする」(山中氏)ことが最大の目的。まだ手探り状態であるデータベース標準化の取り組みについて、技術情報の共有や案件情報の共有などを行うほか、日本HP大島本社内のデモセンターをパートナーにも開放。「SIerの営業担当がお客さまをお連れして、当社と一緒にデモをお見せするといった活動を行っていく」としている。
「確かにこのアライアンスは、最初はItaniumとOracleの問題からスタートしたものではあるが、データベースの標準化へのニーズは高く、SIerと今後も取り組みを進めていく。また、データベース標準化は『無理』と始めから考えてしまっており、定量的な評価すら行っていないお客さまが多くいらっしゃるが、実際にアセスメントすると『こんなものなのか』というフィードバックがほとんど。定量的な評価を多くのお客さまに広げていく必要がある」(山中氏)。