ベリサインのWebサイト安心・安全保証マーク、目にする機会が拡大
BIGLOBE・ソースネクスト・Lunascapeとの協業で
日本ベリサイン株式会社は9日、SSLビジネスに関して記者会見を開催した。
■SSL以外の分野にも進出する
米Symantec バイスプレジデントのFran Rosch氏 |
まず、米VeriSignの事業を買収した米Symantec バイスプレジデントのFran Rosch氏が登壇。昨今のセキュリティトレンドとして「洗練された攻撃手法」「複雑で不均一なインフラ」「情報の爆発的増加」などを挙げ、Symantecでは「ポリシー管理」「情報の保護」「ID認証」「システム管理」「インフラ保護」を戦略の柱に事業に取り組んでいる。
その中でもID認証を担うトラストサービスについて、「VeriSign、GeoTrust、Thawteの3つのブランドを提供し、70%の市場シェアを持っている。今後の戦略は、SSL以外の分野にも進出するというもので、すでに証明書管理機能、マルウェアスキャン機能、シールインサーチ機能、コードサイニング証明書、Trust Sealなどを提供しているが、この流れを加速する」(Rosch氏)とした。
具体的には、日本ベリサイン SSL製品本部長の平岩義正氏が「サイト運営者向けの機能拡充」と「ネットユーザー向けのサービス拡充」を図ると説明。
■サイト運営者向けの機能拡充
9月以降に実施する施策 |
前者については9月以降、(1)Trust Seal機能無償バンドル、(2)長期証明書の提供、(3)短期証明書の提供、(4)長期のTrust Sealの提供、(5)更新の柔軟化、(6)他社からの乗り換え、などの施策を打つ。
(1)同社製SSLサーバー証明書にマルウェアスキャンやシールインサーチの機能を無償バンドル。これらの機能については、設定でON/OFFの切り替えが可能 | (2)(3)(4)長期・短期証明書、長期間Trust Sealの提供 |
(5)更新の柔軟化。元の証明書発行後30日後ならいつでも更新可能。システム構築スケジュールに合ったタイミングで、自由に更新作業を行えるのがメリット | (6)他社からの乗り換え時に、元証明書の残存有効期間を引き継ぐ形で乗り換え可能に |
■ネットユーザー向けのサービス拡充
後者では、「VeriSign Trust Seal」マークを表示する「シールインサーチ機能」について、BIGLOBE、ソースネクスト、Lunascapeの3社と協業する。シールインサーチ機能は、特定のアンチウイルス製品をインストールし、特定の検索エンジンでキーワードを検索した際に、ベリサインSSLやTrust Sealを保有し、マルウェアスキャンに合格したWebサイトのリンクに、赤丸チェックの「VeriSign Trust Seal」マークを表示する機能。
エンドユーザーは一目でリンク先のWebサイトが安全であると判断できるわけだが、現状、同機能を利用するには、ノートンインターネットセキュリティ、ノートン360、AVG AntiVirusのいずれかをインストールしたPC上のIE/FirefoxでGoogle/Yahoo!/Bingで検索するか、goo/OCNで検索する必要がある。
今回の協業の目的は、この対応環境を拡大し、ネットユーザーがシールインサーチを目にする機会を増やすことだ。
BIGLOBEウェブ検索を行うことでシールインサーチが利用できる |
BIGLOBEとの協業は8月8日より始まっており、BIGLOBEウェブ検索を行うだけで、同機能が利用できる。
ソースネクストとの協業では、「ソースネクスト ウイルスセキュリティ」に同機能を実装。同アンチウイルスをインストールしたPCで、IE/Firefox/Chrome上でGoogle/Yahoo!/Bingを使って検索をした際に、シールインサーチ機能が発動する。ソースネクスト製品の場合のみ、Chromeでも同機能を利用できるのが特長だ。
Lunascapeとの協業では、同社製ブラウザそのものにマークを表示する「シールインブラウザ」を実現した。安全なWebサイト閲覧中にアドレスバーに「VeriSign Trust Seal」マークが表示される。このマークが表示された場合、運営組織の実在性が確認され、マルウェアに感染していないことが保証されるという。対応するのはPC版とiOS版のLunascape。もちろん、検索結果内にマークを表示する「シールインサーチ」も利用できる。
Lunascapeではシールインブラウザを実現 | iOS向けブラウザ「iLunascape」でも対応 |
平岩氏は今回の協業メリットについて、「ネットユーザーが視覚的に安全なサイトを見分けられる方法が拡大し、サイトオーナーが安全性を視覚的にアピールすることで、より多くのクリックを期待できる」と説明。今後も安心・安全の「見える化」を推進し、インターネットセキュリティに貢献するとした。
■コーポレートロゴの変更
新コーポレートロゴ |
今回は併せて、コーポレートロゴの変更も発表された。従来のチェックマークのロゴの下に「A SYMANTEC AFFILIATED COMPANY」の文字を配置し、Symantecとの連携をアピールしたデザインとした。
米国ではVeriSignの事業の多くがSymantecに移管されたが、国内では引き続き日本ベリサインがロゴも新たにSSLサーバー証明書事業、クライアント認証事業、ドメイン事業を展開していく。