ネットアップ、ストレージ管理ツール「OnCommand」強化~新パートナープログラムも


 ネットアップ株式会社は28日、同社ストレージ向けの管理ツール群「NetApp OnCommand」の機能拡張と、技術パートナー向けの新たなアライアンスプログラム「クラウド・マネジメント・パートナープログラム」を発表した。

 これらの発表は、いずれも6月11日に米国で行われたもの。まずOnCommandについては、分析と監視をカバーする「OnCommand Insight」と、自動化を担当する「OnCommand Unified Manager」を新たに提供する。


OnCommandの最新機能OnCommandの管理機能
NetApp ストレージシステムプロダクトグループ 副社長兼チーフアーキテクトのピーター・コルベット氏

 OnCommand Insightも複数の製品から構成されており、そのうちの「OnCommand Insight Balance」は、米NetAppが買収したAkorriの「BalancePoint」をベースに提供される。NetApp ストレージシステムプロダクトグループ 副社長兼チーフアーキテクトのピーター・コルベット氏は、「現在のインフラの状態、健全性を監視できる製品」とこれを紹介。「今、どのワークロードに問題があるのか、健全性を判断するためのパフォーマンス指標がどのくらいなのか、ディスク利用率がどのくらいなのか、といった点を提示してくれる」と機能を説明した。

 また「OnCommand Insight Assure/Plan/Perform」は、SANscreenから改称した製品。「Assure」では、可視化とそれに伴うポリシー設定、変更のプランニングと検証を、「Plan」では、容量管理とプランニング、ストレージ利用に基づくチャージバックなどを、「Perform」では、リソースとアプリケーションを関連した管理と最適化を、それぞれ行うことができる。

 ネットアップがこうした製品を提供する背景には、クラウドサービスのインフラとして、同社のストレージの利用を拡大したい狙いがある。コルベット氏は、「クラウドインフラを支える一番の基本はストレージだと思っている。その中でも、当社の(ストレージOSである)Data ONTAPは、柔軟性、効率、拡張性などの点で比類なき製品だ」とアピール。その上で、「今回機能が拡張されたOnCommandと合わせて利用することにより、クラウド時代の最適なインフラを提供できる」とした。


OnCommand Insight BalanceOnCommand Insight Assure/Plan/Perform
NetApp グローバルパートナーセールス担当上級副社長のジェリー・パリッシュ氏

 一方で、こうした製品の活用を広げるために「クラウド・マネジメント・パートナープログラム」を発表した。同プログラムに参加すると、「パートナー企業は、当社製品のAPIにアクセスできるようになるほか、当社から連携のためのツールキットやコンサルティングも提供する」(NetApp グローバルパートナーセールス担当上級副社長のジェリー・パリッシュ氏)とのことで、パートナーの管理製品とネットアップ製品とが、より深く連携できるようになると説明した。現時点では、BMC、CA、Microsoft、Citrix、VMwareなど20社あまりが参加しており、日本からも富士通が参加しているとのことだ。

 なおパリッシュ氏はこれまでのアライアンスについても説明。クラウドサービス事業者との連携や、SIerとの取り組みをワールドワイドで進めているとしたほか、「昨年11月には、VMware、Ciscoとの提携により、EMCのVblockに相当するFlexPodを提供しているが、他社のものと比べて2つの強みがある。1つは、100%パートナーコミュニティを通じてソリューションを提供すること、2つ目は、これまでに当社がすでに検証してきたワークロードやソリューションが、他社をぬきんでている点。SAP、Citrix、Microsoft、Oracleなど検証済みのソリューションが多数ある」と、アライアンスの進展をアピールしていた。

パートナーとの協業によるクラウド対応「クラウド・マネジメント・パートナープログラム」
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