IIJと日本マイクロソフト、Windows Server環境のクラウド移行支援サービスを提供


 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)と日本マイクロソフト株式会社は27日、企業の既存情報システムのクラウド移行を、共同で支援すると発表した。Windows Server環境で構築された情報システム資産を、IIJのクラウドサービス「IIJ GIOサービス」へ移行するための支援を行うほか、移行を促進するための新体制「IIJ GIOクラウドマイグレーションファクトリー for Windows」を5月に立ち上げる。

 現在、震災後の電力供給状況などを考慮し、企業内のサーバー運用に伴う電力消費量の削減や、事業継続性の向上などを考慮して、オンプレミスからクラウド環境へのシステム移行が注目を集めるようになった。

 今回の支援策は、こうした顧客のニーズを踏まえて提供されるもので、既存のWindows Server上で動作するソフトウェア資産を、ノベルの「Plate Spin」製品群をもとに、検証と移行を自動化するツールを作成。IIJ GIO上にVHD(仮想ハードディスク)を実装する、移行サービスを提供する。

 IIJ GIOのWindowsサービスでは、日本マイクロソフトのHyper-VとSystem Centerを利用することで高い信頼性を確保しているほか、西日本を中心に設備展開するIIJ GIOサービスへの移行により、東日本の電力消費削減にも貢献可能。さらにこの環境では、すでにサポート期間が終了している、Windows 2000の環境も移行および動作確認が完了しているとのことで、一時的なIIJ GIOサービスの活用により、最新OSへの円滑な移行手段としても利用できるという。

 またIIJと日本マイクロソフトは、アイティークルー、日本ビジネスシステムズといったSIerの協力を受け、IIJ本社に、IIJ GIOクラウドマイグレーションファクトリー for Windowsを専任エンジニア20名体制で立ち上げる。この組織では、サーバー利用環境と移行対象のソフトウェアライセンスの確認から、移行手段の確定、顧客のサーバー診断と自動化ツールの適用までを、ワンストップで提供するとのこと。

 なおIIJは、このサービスを通じて新規にクラウドサービスへ移行する企業を対象に、IIJ GIOサービスの最大3カ月分の月額利用料を無償とするほか、7月からは、顧客がすでに利用している日本マイクロソフトのアプリケーション、サーバーのライセンスを、そのままIIJ GIO環境へ移行できるようにする予定だ。

 サービスの販売は、IIJと協力企業各社、オリックス、オリックス・レンテックを通じて行い、1年間で300社、1000台のWindows Server資産の移行を目指すとしている。

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