IIJ、外気冷却コンテナユニットを用いた「松江データセンターパーク」を開設

プライベートHaaSも同時提供開始


松江データセンターパークのイメージ図(着手当時の発表資料より)

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は26日、外気冷却コンテナユニットによるデータセンター「松江データセンターパーク」を開設し、同日より稼働開始すると発表した。また、このデータセンターを利用した「IIJ GIOプライベートHaaS(Hardware as a Service)」もサービス提供を開始する。

 松江データセンターパークは、IIJが独自に企画、開発したコンテナユニット「IZmo」を用いたデータセンター。サーバー工場でキッティングを行った後、サーバーを搭載したまま運搬・設置することによって、構築期間が短縮されており、構築着手から約8カ月弱で稼働開始した。

 IIJによれば、外気冷却コンテナユニットによって構成されているデータセンターは、商用としては国内初となるとのこと。また、3月25日に国土交通省から発出された技術的助言(国住指第4933号)「コンテナ型データセンターに係る建築基準法の取り扱いについて」で定められる、建築基準法の建築物に該当しない外気冷却コンテナ型データセンターに該当するという。

 なおIIJでは今後、低コストで、容易なスケールアウトを実現できることを生かして、自社のクラウドサービス「IIJ GIOサービス」のファシリティとして活用し、サービス需要に応じて増設を順次行う計画だ。


「IZmo」のイメージ図

 またこのデータセンターを利用した新サービスであるIIJ GIOプライベートHaaSは、サーバー、ストレージなどの顧客固有のIT機器をIZmoに搭載し、ネットワーク接続サービスなどもあわせて、コンテナユニット単位で提供するサービス。東日本では、震災に伴う電力事情を踏まえて節電対策の必要性が高まっており、大容量の電力を消費するIT機器を、東日本圏外に移設する需要が多く見られるため、このニーズに対応するためにサービス化された。

 顧客固有のIT機器の調達からIZmoへのサーバーキッティング作業は、NEC、日本HP、富士通などの工場で実施され、松江データセンターパークまで運搬される。この仕組みによって、短期間で大量のIT機器を提供でき、顧客でのサーバー設置作業が不要になるほか、IT機器の梱包(こんぽう)材の削減、輸送にかかわるエネルギーの消費削減も実現するとのことだ。

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