ジャストシステム、Microsoft Office互換のオフィス統合ソフトを今夏に発売
法人向けのライセンス製品として提供
代表取締役社長の福良伴昭氏 |
株式会社ジャストシステムは1月12日、法人向けのライセンス製品として、高品質で「Microsoft Office(以下、Office)」と互換性のあるオフィス統合ソフトを今夏より発売すると発表した。発売するのは、民間企業向けの「JUST Office」、官公庁・自治体向けの「JUST Government」、警察機関向けの「JUST Police」の3製品で、それぞれの業務に最適な機能を搭載する。
新製品発表会であいさつした代表取締役社長の福良伴昭氏は、「当社では、以前から法人ユーザー向けにライセンス製品を提供しており、国産メーカーとしてのサポート品質に高い評価を得ていた。そのなかで、多くの法人ユーザーから、充実したサポートを受けながら低コストで安心して導入できるOffice互換の統合ソフトを出してほしいという要望をもらっていた。今回のJUST Officeは、その要望に応えるものであり、法人ユーザーに明らかな導入効果をもたらす製品になると確信している。当社としては、ライセンス事業の大きな柱を担う製品と位置づけており、今後幅広い企業に採用されていくことに期待している」と、国産メーカーとしてOffice互換ソフトを投入する狙いを説明した。
ライセンス事業部 事業部長の植松繁氏 | PC1台にかかるコストの変遷 |
また、法人ユーザーからOffice互換ソフトが求められている市場背景について、ライセンス事業部 事業部長の植松繁氏は、「Windows 7の登場から1年が経過し、システムや周辺機器が安定稼働していることから、PCを始めOSやオフィスソフトの入れ替えを計画する企業が増加している。しかし、企業におけるPC調達の平均額を見ると、PC1台に占める統合オフィスソフトのコストが非常に高くなっているのが現状。コストを抑えるためにオープンソースの統合オフィスを利用する選択肢もあるが、自主サポート体制の構築や教育コストの調達、業務に即した機能改善が難しいなど課題が多く、導入には踏み切れていない企業がほとんど。そこで、法人向けライセンス製品で実績をもつ当社に向けて、Office互換ソフトへの要望が高まってきた」としている。
Office互換ソフトの開発にあたっては、(1)コストを抑えられる、(2)セキュリティやサポート面で安心できる、(3)業務に即した機能改善要望を取り入れる、(4)できるだけ早い時期に検証&導入ができる--という4つの要望を満たすことを重視。そして、導入、運用・管理、教育・サポートといったオフィスソフトにかかるトータルコストを抑制しながら、Officeユーザーが安心して移行できる、高品質なOffice互換ソフトを実現したという。
Office互換ソフトの製品ラインアップ | Officeソフトに関連する3つのコスト削減を提案 |
具体的には、表計算ソフト「JUST Calc」やプレゼンテーションソフト「JUST Slide」、ワープロソフト「JUST Note」、メールソフトなど業務に必要となる一通りのソフトウェアに加え、管理者向けに運用負担を軽減するための専用ツールを搭載。ライセンス管理ツール「JUST AppDesk」および、企業向けアップデート管理ツール「JUSTオンラインアップデート for J-License」を活用することで、ライセンス管理やアップデート対策など運用・管理のコストや手間を軽減できる。
また、Office 2003の操作に関する知識があれば、新たな操作を覚えることなく、すぐに使いこなせるため、教育コストやサポートコストも抑制することができる。さらに、PDF作成ソフトや、トナー・インクを節約できるエコ印刷ツール「JUST InkCutter」を搭載しているため、印刷コストまで削減することが可能となっている。
互換ソフトを意識させない簡単な操作性 | PDF作成ソフトやエコ印刷ツールを搭載 |
Officeで作成した文書は、ダブルクリックすることでオフィス互換ソフトが起動して編集でき、作成した文書は自動的にOffice形式で保存されるため、ファイル互換を意識せずに利用することができる。
このほか、オフィス互換ソフトのスムーズな導入と運用を支援するため、セキュリティ対策や人的支援、技術情報の開示を含む充実したサポートを提供する。なお、同社では今後、法人からの要望を反映した機能強化を積極的に行っていく予定。