「一太郎、第二章へ」最新版はTwitterやポメラとの連携も


 株式会社ジャストシステムは、日本語ワープロソフトの最新版「一太郎2011 創」を2011年2月10日に発売する。価格は2万1000円。対応OSはWindows 7/Vista/XP。

 「新たなる創生 一太郎、第二章へ」をキーコンセプトに掲げ、思考を中断することなく書くことに専念できるという観点からユーザーインターフェイス(UI)を見直したほか、ウェブサービスや外部機器との連携を図った。

「一太郎2011 創」製品群ジャストシステムのイメージキャラクターを務める加藤あいさんも応援に駆けつけた

DOS時代以降のUI刷新、書斎机のような空間をイメージ

「一太郎2011 創」の操作画面

 UIについては、シンプルな画面で直感的に操作できるよう、編集領域を中央に、文書作成を効率的に行うための「ツールパレット」を画面右側に、「ジャンプパレット」を画面左側に設置した。

 「ツールパレット」は、「アウトライン」「基本編集」「提出確認」のフェーズごとに必要となる機能をまとめたパレットが自動表示される。目的の機能をすぐに見つけられ、ツールパレット上だけで編集操作が行えるという。

 「ジャンプパレット」は、文書内の該当箇所にすぐに移動する機能を集約したパレット。ページのサムネイル一覧を表示ができ、サムネイル上にマウスカーソルを合わせると、そのページのプレビューをポップアップして拡大表示する。

 画面上部には、使用頻度の高い「開く」「保存」「印刷」などの基本機能を大きく分かりやすいアイコンにして配置した「ツールバー」、フェーズやモードに合わせて頻繁に使う設定のアイコンを切り替えて提示する「コマンドバー」を配置する。

 「ここまでのUI刷新はDOS時代以降なかった」と語るジャストシステムの大野統己氏(コンシューマ事業部企画部)。一太郎 2011 創では、効率最優先の事務机ではなく、「気持ちよさ」「楽しさ」などの価値を付加した書斎机のような空間を目指したという。

Twitterやポメラと連携するプラグイン「ソプラ」

 また、一太郎とさまざまなウェブサービスや外部機器を連携させ、文書作成に必要な情報を収集したり、情報を発信できるようにする、プラグインシステム「ソプラ」(ソーシャルプラグインの略)を新たに搭載した。

 ソプラは、ツイートの表示や投稿に加え、ツイートを「一太郎」文書に取り込める「ソプラ Twitterツール」、デジタルメモ「ポメラ」で作成した文書をワンクリックで「一太郎」文書に取り込める「ソプラ ポメラツール」などを同梱している。

 ソプラは今後もウェブサービスと連携するプラグインを順次ダウンロード提供する予定。具体的には、「ソプラ Flickrツール」を2011年4月、「ソプラ Evernoteツール」を2011年6月に公開するという。

「ソプラ Twitterツール」「ソプラ ポメラツール」

日本語ワープロソフト「一太郎2011 創 プレミアム」

「リュウミン for 一太郎」のイメージ

 音声読み上げソフト「詠太」、モリサワフォント「新ゴ for 一太郎」「リュウミン for 一太郎」、グラフィックソフト「花子2011」、ATOK連携電子辞典「三省堂 スーパー大辞林・敬語のお辞典 for ATOK」などを同梱した「一太郎2011 創 プレミアム」も発売する。価格は2万6250円。

 「詠太」は、音声合成で文書を読み上げるソフト。電話応答システムや気象情報・案内放送などの分野で実用化されている、HOYAサービス株式会社の音声合成エンジン「VoiceText」を採用しており、女性2人、男性1人の音声を収録している。

 「新ゴ for 一太郎」と「リュウミン for 一太郎」は、DTPなどで使われる株式会社モリサワのフォント。交通機関の案内板や雑誌などで多く使われているという。文書タイトルや見出し、本文と異なるフォントの太さで表現することを考慮し、各3書体ずつ収録した。

 なお、フォントは暗号化が施されており、「一太郎2011 創」「花子2011」「三四郎2010」「JUST PDF [作成・編集]」のアプリケーションのみでしか使用できない。

最上位版には外出先で使える「一太郎ポータブル」を同梱

 このほか、「一太郎2011 創 プレミアム」の全機能に、PC環境をUSBメモリーで持ち運べるガジェット「一太郎ポータブル with oreplug」、表計算ソフト「三四郎2010」、プレゼンテーションソフト「Agree 2010」を加えた最上位版「一太郎2011 創 スーパープレミアム」も発売する。価格は3万4650円。

 「一太郎ポータブル with oreplug」には、ポータブル版の一太郎「一太郎 Portable」、メールソフト「Shuriken Portable」、メモエディター「Ore Note」などに加えて、ブラウザーとして「Firefox Portable」も収録。外出先でも自分のPC環境でアプリケーションを利用できる。USBメモリーに格納しているアプリケーションの設定情報や作成文書のデータは暗号化されるため、紛失した場合にも情報漏えいを防止できるという。

「一太郎ポータブル with oreplug」で利用可能なアプリケーション「一太郎2011 創」シリーズのラインナップ

 7日に開かれた記者説明会では、ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏が「一太郎は25周年を区切りに、新たなスタートを切る思いで開発した。まさに一太郎の第二章にふさわしい製品となった」と語った。

 また、大野氏によれば、日本語ワープロの新たな価値を創生し、今後も進化を続けていく決意を込めて、製品名に「創」という文字を込めたと説明。なお、パッケージにはNHK大河ドラマ「龍馬伝」の題字を手がけた書家・紫舟氏のカリグラフィーを採用した。

 記者説明会には、ジャストシステムのイメージキャラクターを務めるタレントの加藤あいさんも応援に駆けつけ、「一太郎2011 創」をアピールした。

書家の紫舟氏(左)とジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏加藤あいさん
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