アドビ、使い勝手や連携機能を向上させた「Acrobat X」
サンドボックス対応の「Adobe Reader X」、お得な新スイート「Acrobat X Suite」も
Acrobat X Proのパッケージ |
アドビシステムズ株式会社(アドビ)は18日、PDF文書作成ソフト「Acrobat」ファミリーの新バージョンとなる、「Acrobat X」製品群を発表した。アドビのオンラインショップ「アドビストア」では、同日より予約受付を開始。パッケージ版は12月1日より順次提供を開始する。
新製品のうち、中核となるAcrobat Xでは、ユーザーインターフェイスを改善し、ユーザビリティを向上させたほか、複数のドキュメントを1つのPDFファイルにまとめる「PDFポートフォリオ」機能においても使い勝手を向上させている。また、日常業務でひんぱんに使う複数の作業を自動化する「アクションウィザード」機能を搭載し、文書作成やパブリッシングのさまざまなプロセスを簡素化できるようにした。
加えて、他製品との連携機能についても強化されており、Office 2010、Firefoxから容易にPDFを作成できる機能と、Excelへの書き出し機能の搭載、Wordへの書き出し機能の強化も行われている。
無償で提供されている閲覧ソフトの「Adobe Reader X」では、文書に付箋のようにコメントを記入できる「ノート注釈ツール」と、強調表示させる「ハイライトツール」を搭載したほか、セキュリティ対策としてサンドボックス機能「Protected Mode」を追加。Android、Windows Phone 7、BlackBerry Tablet OS向けにも提供するなど、携帯対応も強化されている。
またAcrobat Xファミリでは、オンラインサービス「Acrobat.com」との連携サービスも利用可能。大規模ファイルの送受信と受領証明による追跡が可能な「Adobe SendNow」、Adobe Reader Xの操作画面内やWebブラウザから、ファイルをPDF文書へと容易に変換する「Adobe CreatePDF」などを利用できる。
アドビでは、このようにAcrobatの使い勝手を改善することにより、企業内でのPDFとAcrobatの利用促進を図りたい考え。特に、「一回作ったら変更しないという、一般のPDFへのとらえ方を変革したい」(アドビ)としており、非定型文書業務のペーパーレス化や、紙ではできない表現力での文書作成と共有などの効果を示し、ユーザーに訴求していくとのこと。
Acrobat Xの参考価格は、「Standard」の通常版が3万6540円、アップグレード版が1万9110円。「Pro」の通常版が5万7540円、アップグレード版と、Acrobat StandardユーザーやAcrobat 3Dユーザーなどが購入できる特別提供版が2万5410円、学生・教職員個人版が1万9530円。StandardはWindows向け、ProはWindows向け、Mac向けが提供される。
また、今回よりさまざまな製品をセットにして安価に提供する「Acrobat X Suite」がラインアップに加わった。Acrobat X Pro、Photoshop CS5、Presenter 7、Captivate 5、LiveCycle Designer ES2、Media Encoder CS5が含まれており、参考価格は、通常版が15万1200円、特別提供版が11万145円。