EMCジャパン、SSDやVMware環境のさらなる活用を図るCLARiX/Celerra向け新機能を提供開始


 EMCジャパン株式会社は22日、統合ストレージ「EMC CLARiX」「EMC Celerra」の新機能を出荷開始すると発表した。エンタープライズ向けSSD(EFD:エンタープライズ・フラッシュ・ドライブ)のラインアップを拡充したほか、EFDを用いた自動階層化機能の強化、VMwareとの連携機能追加などが行われている。

 EMCジャパンではかねて、年々増え続ける膨大なデータを適切に管理するために、「シンプル」かつ「効率化」が図れるストレージが必要と主張しており、自社のストレージにも、それを実現するための機能を盛り込んできている。

 例えば、ストレージに搭載されている実容量以上のボリュームを作成可能な仮想プロビジョニング(シンプロビジョニング)、圧縮と重複排除による容量削減機能、またEFDとFC/SATA HDDを必要に応じて使い分ける自動階層化機能「FAST」などは、「効率化」を実現するための重要な機能である。

テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括本部 テクノロジー・コンサルタントの古舘良則氏

 今回提供が開始された新たなFAST機能では、従来LUN単位で行っていたデータ再配置を、1GBの「スライス」単位で行えるようになったことで、より粒度の細かい自動階層化を実現した。また圧縮の機能では、従来のファイルデータの圧縮機能以外に、ブロックデータの圧縮に対応。LUN単位でデータをまるごと圧縮することで、主に、利用頻度の高くないLUNの容量を削減できる。

 さらに、EFDをストレージのキャッシュメモリとして利用する「FAST Cache」機能により、キャッシュヒット率を増加させ、性能向上を果たせるという。この機能の特徴は、最小3GBから、最大ではハイエンドストレージ超える2TBまでの大容量キャッシュをサポートする点。テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括本部 テクノロジー・コンサルタントの古舘良則氏によれば、「特に、OracleやSQL Serverなどのデータベース、業務開始時間にアクセスが集中しがちなデスクトップ仮想化などでの利用に効果的」なのだという。

仮想プロビジョニングとFASTによるストレージ効率化Fast Cache

 なお、ハードウェアとしても100GB/200GBの新EFDが投入されている。テクニカル・コンサルティング本部 プロダクト・ソリューションズ統括本部 中野逸子マネージャは、この活用による効果を「従来製品と比べて最大30%のコスト削減を実現する」と説明。さらに、「それでもまだ、FC HDDとは7~8倍のコスト的な開きがあり、この良さをいかに生かすか、という点に対しての当社の答えが、FASTによるストレージ階層化とFAST Cacheだ。これらによって、EFDの価値を最大化し、お客さまのIT環境の効率化、コスト削減につなげていきたい」と述べた。

ストレージ管理機能の強化

 一方、「シンプル」については、ストレージ管理の簡素化のために、統合管理ツール「EMC Unisphere」の提供が開始された。これによって、従来は別々だった、CLARiXとCelerraの管理を、同一のツールからビジュアルなインターフェイスで行えるようになり、ストレージ管理者の負荷を軽減できるという。

 加えて、VMwareの管理ツールであるvCenter向けのストレージ管理プラグイン、APIレベルでVMwareと連携する「VAAI(vStorage APIs for Array Integration)」を提供し、仮想環境と物理環境におけるストレージ管理の簡素化を図った。

 古舘氏によれば、「vCenterへのプラグインツール提供によって、VMwareの管理者(サーバー管理者)が簡単にストレージを管理できるし、後者では、ストレージ管理ツールがVMwareと連携することで、ストレージ管理者による管理効率向上を支援する」とのこと。またVAAIでは、本来サーバーが担当していたStorage Vmotionのコピー機能などをストレージにオフロードすることが可能になるため、VMware環境のパフォーマンス向上が見込めるとしている。

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