サイベース、インメモリDBを完全統合したRDBMS最新版


 サイベース株式会社は15日、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の最新版「Sybase Adaptive Server Enterprise(以下、Sybase ASE) 15.5」を発表した。10月1日より出荷する。

 Sybase ASEは、ミッションクリティカルシステム向けのRDBMS。用途や規模に応じて「Enterprise Edition」と「Small Business Edition」の2種類を提供している。最新版ではEnterprise Edition向けに「インメモリ・データベース」と「アドバンスト・バックアップサービス」の2つのオプションを追加した。

 インメモリ・データベース・オプションは、物理メモリ上に論理領域を作成してデータやログを書き込む、インメモリDBとして機能させる機能。完全にメモリのみに常駐するため、ディスクI/Oがゼロとなり、パフォーマンスを向上できる。同機能は例えば、トレーディングシステムの参照と不正取引検知のような、読み込みが中心の低遅延性と高い同時実行性が必要な処理に最適という。

 同機能が、Sybase ASE 15.5に完全に統合されているのも特徴。このため、ソフトの追加インストールが不要な「ゼロディスクフットプリント」を実現している。オプションライセンスを購入すれば、Sybase ASE 15.5の設定を変更するだけでインメモリDBとして動作させられるほか、SQL文、データ管理、システム管理も「Sybase ASE」と全く同じ方法でできるため、新たに技術を習得する必要がないという。

 一方のアドバンスト・バックアップサービス・オプションは、IBM製システム管理ソフト「Tivoli Storage Manager(以下、TSM)」を導入済みまたは導入予定のSybase ASE 15.5ユーザーに提供される機能。同オプションにより、TSMとSybase ASEバックアップサーバーが統合され、効率良くバックアップが行える。

 このほか、Sybase ASE 15.5では、新しいバックアップ圧縮技術による効率向上、管理しやすくなったテンポラリ・データベース、複数の同時障害からの回復機能などをサポートし、コア機能も拡張されている。

 サイベースでは、「2つの新オプションとコア機能の拡張により、クラウドやデータセンターなど高速・大量アクセスが発生する環境で、さらなるコスト削減、パフォーマンスの向上、運用効率の改善に貢献する」考え。

 なお、最新版より、CPUのコア単位でライセンス利用が可能な「サブキャパシティ・ライセンス」新体系を採用し、リーズナブルな利用を可能にしている。

 価格は、Sybase ASE Enterprise Edition 15.5が619万8,000円(税別)/コア。インメモリ・データベース・オプションが279万9000円(同)/コア。アドバンスト・バックアップサービス・オプションが167万9000円(同)/コア。

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