富士通が物流分野の取り組みを説明、今後は「ロジスティクス・クラウド」も視野に


運輸統括営業部 営業統括部長兼ロジスティクス推進部長の加藤泰司氏
物流分野の課題

 富士通株式会社は2日、ロジスティクス(物流)分野の取り組みに関する報道向けの説明会を開催。運輸統括営業部 営業統括部長兼ロジスティクス推進部長の加藤泰司氏が業界の現状と富士通の強みについて説明した。

 富士通によれば、社会・事業を取り巻く環境変化の中で、物流分野には1)物流コスト削減、2)安心・安全の強化、3)環境負荷への配慮、4)業務ノウハウ継承と人材育成といった点が課題として挙げられているという。

 富士通でも、こうした課題に対応すべく、コンサルティングからエンジニアリングサービスを提供してきた。その肝は、「お客さまの現場を見て、課題を抽出し、価値向上につなげる点」(加藤氏)とのことで、ICTに限った話ではなく、ちょっとした業務作業の改善といったことに関しても顧客とともに取り組んできたという。

 実際に、さまざまな業種で実績を積み重ねてきたほか、ハードウェアから、パッケージ、SI、サービスに至るまでのトータルソリューションを提供できる点が強みで、また、社内の体制も整備されており、コンサルティング、エンジニアリングからサービス実施・開発まで、400人規模の専任体制を設けて物流分野に対応してきた。

 この点について、加藤氏は「専業メーカーではないため、物流にかかわる仕組み全体を提案可能。つまり、部分最適ではなく全体最適を実現できる。また、ITベンダーで専任部隊を設けているのはあまり聞かない。経験・ノウハウのある豊富な人材で対応できる強みがある」と、自社の特徴を強調する。

 これを支える製品としては、パッケージに力を入れているのも特徴で、基幹業務から、TMS(輸配送システム)、WMS(物流センターシステム)まで、25種類のさまざまなパッケージを展開。こうした施策によって、これまでに1200のコンサルティング・エンジニアリング案件を獲得したほか、WMSでは約250社、3000サイト、TMSでも約200社へ導入した実績があるという。

富士通のソリューション富士通の強み

 しかし、社会の変化によって、物流を含むサプライチェーンにもさらなる変化が起きようとしているという。それは、「消費者起点」という点で、「これまでは昨今、それぞれの企業がビジネス領域を拡大するために、(小売りなど、これまでの顧客との接点を通さず)メーカーから消費者、卸から消費者といった導線が生まれている」(加藤氏)。

 そこで富士通でも、このような新たな環境の変化を踏まえて、物流分野向けのソリューションを拡充する計画で、例えば、基幹の計画系から現場業務、WMS、TMS、プローブ情報(渋滞情報や気象情報など)といったさまざまな要素をクラウドで提供する「ロジスティクス・クラウド・サービス」の提供も視野に入れるとしている。

消費者起点でのサプライチェーンの変化お客さま価値の向上に向けた取り組み
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(石井 一志)
2010/9/2 16:31