2010年の世界クラウドサービス市場規模は前年比16%増の683億ドルに 米Gartner予測


 米Gartnerは6月22日(米国時間)、2010年の世界のクラウドサービス市場規模が前年比16.6%増の683億ドルに達する見込みだと発表した。成長は引き続き力強く、2014年には1488億ドルに達すると予想している。

 世界のクラウドコンピューティングとクラウドサービスの動向予測で、クラウドは、経済環境とこれまでのコンピューティングモデルの管理面での特徴(複雑、高価など)などから、多くの企業にとって新しい魅力的なモデルになっているという。

 Gartnerは、クラウドサービスを利用したアプリケーションの実装スケールは拡大し、IT管理者にとってクラウドは戦略的なものになっていると指摘。今後5年間で企業がSaaS、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、IaaS(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)に累計で1120億ドルを投資すると予想している。

 地域別に見ると、現在けん引しているのは北米と欧州で、中でも北米は2009年の売り上げの60%を占めるという。今後、他の地域で受け入れが進む結果、北米の比率は低くなり、たとえば日本は2010年に10%、2014年には12%を占めると予想している。

 業種別では、財務・金融、製造などで導入が進んでおり、通信やハイテクも積極的。公共分野も強い関心を示しているという。

 一方、クラウドコンピューティングに対する懸念も残っており、セキュリティをはじめ、サービスの可用性、ベンダーの安定性と成熟などが不安材料に挙がっている。

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(Infostand)
2010/6/23 08:45