SaaS日本市場は2014年に2400億円へ、年率36.9%で成長


 IT市場調査会社のスプリングボードリサーチは22日、SaaS日本市場は2014年に2400億円に達するとの市場予測を発表した。2009年の500億円規模から、年率36.9%で成長する見込み。

 同社が実施したユーザー企業調査(有効回答数3578社)によると、日本市場のSaaS導入率は13.6%。社員数1万人を超える大企業での導入率が42.3%と突出し、社員数規模が大きい企業ほど導入率が高い傾向が明らかとなった。

 一方で、社員数100人以下の中小企業の導入率は7.0%と低く、中小企業ほどSaaSに対する認知度も低い結果となった。このため「SaaSベンダーは、中堅・中小企業に自社の具体的なサービス・保証内容や利用効果を分かりやすく説明する必要がある」と分析している。

 これらを踏まえ、SaaS日本市場は2014年に2400億円に達すると予測。年率36.9%で成長すると見ている。

 また、日本市場の特徴としては、カスタマイズ特性を挙げる。SaaS利用時に標準外の機能追加やカスタマイズ仕様を要求する日本企業の割合が、他国に比べて突出しているという。Salesforce.comのように柔軟な基盤や開発環境の利用が可能になったことで、日本企業のカスタマイズ要件を満たせる従量課金型アプリケーションサービスの選択肢が広がったためと見ている。

 今回の発表内容の詳細は、同社発行の「Japan SaaS Market Forecast and Update, 2009-2014」に記載されている。

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(川島 弘之)
2010/6/22 15:24