2020年にはネットユーザーのほとんどがクラウドへ~米Pew Research調査


 米国の非営利調査機関Pew Research Internet & American Life Projectは6月11日(米国時間)、クラウドコンピューティングについて、専門家やインターネット通のユーザーを対象に実施した調査の結果を発表した。7割が「2020年には、ほとんどのネットユーザーがクラウドに移行する」と考えていることが分かった。

 調査は、専門家やインターネットに精通したユーザーの計895人を対象にオンラインで聞いた結果を集計した。期間は 2009年12月から2010年1月。イーロン大学と共同で実施したもので、インターネットの将来を探る「Future of the Internet」シリーズの第4回目の調査となる。

 それによると、「2020年には、ほとんどの人々が汎用PC上で動くソフトウェアではなく、インターネットアプリケーションやスマートフォン経由で配信されるアプリケーションで作業を行うようになるか」という質問に対し、回答者の72%が「そう考える」と答えた。

 逆に、「2020年も、ほとんどの人は汎用PC上のソフトウェアで作業をする。インターネットアプリやスマートフォンアプリは一定の機能を持つが、重要なアプリケーションは引き続きPC OSベースとなる」には、27%が賛成した。

 クラウドが主流になる理由について、7割が「いつでも・どこでも必要なときにカスタマイズされたツールと情報にアクセスできる点」を挙げた。高度で安価なネットワークを使って自宅をクラウド化するユーザーも出てくる、と見る専門家もいた。

 ただし、多くはデスクトップアプリケーションが消滅すると予想してはおらず、クラウドと並行して、新たな方法で利用されると考えていた。

 デスクトップ擁護派からは、クラウドに情報を保存することに対する安全性や管理面からの懸念が出たという。このほか、品質保証、互換性などもクラウドの課題として挙げられた。こうした管理と安全性の問題から、大企業はすぐにはクラウドに移行しないだろうという見方もあった。

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(Infostand)
2010/6/14 09:19