IPA、クラウドセキュリティを研究する米団体の日本支部を設立
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は7日、クラウドセキュリティに関する調査研究、普及啓発、教育、対策・指針策定などを目的に、米Cloud Security Alliance(CSA)と相互協力協定を締結した。
CSAはクラウドセキュリティのベストプラクティス普及をめざす団体。2009年4月にクラウドセキュリティガイダンスを公開、2010年4月にクラウドセキュリティの重大脅威レポート・管理項目をISOなどの規格にひも付けたリストを公開するなど、世界的な注目を集めている。
一方のIPAでは、2009年度に「クラウド・コンピューティング社会の基盤に関する研究会」を設立。クラウドの課題を抽出・整理し、個人や企業のクラウド化の在り方を報告書にまとめるといった活動を展開している。
さらに2010年度計画では、国際団体との連携なども目標に掲げており、今回の相互協力協定はその一環となる。これに伴い、CSA日本支部となる「日本クラウドセキュリティアライアンス(NCSA)」を6月1日付けで設立。CSAの活動の一部を日本で行うほか、クラウドセキュリティガイダンスの日本での実践ガイドを開発するという。
NCSAの発起人は、ヘルスケアクラウド研究会、IIJ、NANAROQ、CTC、おおいた市民総合法律事務所、ならびにIPAから集まった21名の個人。加えて、CSAがSNS「LinkedIn」を活用して展開するグローバルな活動の中には、115名が登録している日本サブグループなども存在し、いくつかのテーマについてすでにディスカッションを始めている。
なお、CSAが地域支部設立を容認したのは2010年に入ってから。NCSAのほかにも、スペインとブラジルの支部が認可されており、日本支部は3番目の公認支部となる。さらに中国、イスラエル、イタリア、インドで設立手続きを進めており、英国、フランスでも設立に向けた動きが見られるなど、活動が一挙に活発化している。