ニュース
富士通、SAP S/4HANAへの移行検証環境を提供するサービス
ソフトウェアライセンスを購入せずに月額課金で利用可能
2017年10月16日 12:10
富士通株式会社は16日、SAP ERPを利用しているユーザー企業が、SAPのソフトウェアライセンスを購入することなくSAP S/4HANAへの移行検証を行える「SAP S/4HANA環境提供サービス」を発表した。同日より提供を開始する。
2025年に保守サポート終了が見込まれるSAP ERP 6.0は、現在も日本国内で約2000システムが稼働しているといわれているが、次世代ERPであるSAP S/4HANAへ移行するためには、個別に開発されたアドオン機能も含め、資産の移行可否を検証する必要がある。
従来はこうした検証を行う場合、一時的な移行検証であってもSAP S/4HANAのライセンスを購入しなければならなかったが、富士通では、独SAP SEとのクラウドビジネスでの包括的な協業の第1弾として、日本法人のSAPジャパン株式会社とクラウド特化型パートナー向けライセンス契約(Partner Managed Cloud)を締結。新サービス「SAP S/4HANA環境提供サービス」の提供に至ったとのこと。
このサービスでは、専用のIaaS環境、SAPソフトウェアライセンス、運用サービス一式を月額課金で提供するほか、SAP S/4HANAのアプリケーション開発基盤として推奨されているSAPのクラウドサービス「SAP Cloud Platform」も利用できるため、新環境でのアプリケーションの動作確認もあわせて実施可能。
ユーザーは、SAP S/4HANAのソフトウェアライセンスを購入せずに移行検証を行えるので、システムが企業の実業務にどう対応できるかを、移行の実現性や投資概算を実際に確認しながら検討可能になるという。
サービスは3カ月から最大6カ月まで月額利用でき、SAPソフトウェアについての質問には富士通のSAP認定コンサルタントが対応するとした。
富士通では、このサービスを日本国内から提供開始し、今後はグローバルに展開する考え。また、同社が提供する既存のSAP S/4HANA移行支援サービスと組み合わせることで、事前の移行診断から、業務データや業務シナリオといった企業資産の適切な移行、検証後の移行実現性や投資概算の検討までを支援するとしている。
「SAP S/4HANA環境提供サービス」の標準価格は、月額300万円(税別)から。富士通では、2020年10月までに30社の利用を見込んでいる。