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Talend、データ統合ソリューションの事業戦略について説明会を開催

新体制から約1年で日本市場でのビジネスが急成長

 クラウド/ビッグデータのデータ統合ソリューションを手掛けるTalend株式会社は20日、米Talend 最高マーケティング責任者のアシュリー・スタラップ氏の初来日に合わせて記者説明会を開催し、グローバルでのビジネス概況や製品展開、日本市場に向けた戦略などについて説明した。

 Talendは、2006年に設立し、クラウドおよびビッグデータ分野で前年比2倍以上の急成長を続けている。現在、グローバルでの従業員数は700名以上、商用製品の顧客は1500社以上に達し、オープンソースのダウンロード数は300万以上を記録しているという。昨年7月にはナスダックへ上場し、2016年度の売り上げは1億600万ドル、今年度は1億5000万ドル以上の売り上げを見込んでいる。

 米Talend 最高マーケティング責任者のアシュリー・スタラップ氏は、「直近の2017 Gartner Magic Quadrantでは、データ統合ソリューション分野においてオラクルを抜き、インフォマティカ、IBM、SAPに続くリーディングポジションを獲得した。この中で、唯一のオープンソースベンダーが当社であり、クラウド時代に向けて市場からの評価と期待が高まっていると感じている」と、同社がクラウド&ビッグデータ統合市場のグローバルリーダーであることを強調した。

米Talend 最高マーケティング責任者のアシュリー・スタラップ氏

 Talendの主力製品となるのが、データ統合プラットフォーム「Talend Data Fabric」だ。同社が提供する「Data Integration」「Big Data Integration」「Application Integration」「Master Data Management」「Integration Cloud」「Data Preparation」の各製品を1つに統合した包括的なソリューション。これによりデータの統合から、アプリケーション統合、クラウド統合、データプレパレーションまでを単一プラットフォーム上でシームレスに実現できるという。

 「今夏にリリースした『Talend Data Fabric』の最新バージョンでは、Amazon Web Services(AWS)やCloudera Altus、Google Cloud Platform、Microsoft Azure、Snowflakeの各プラットフォームをサポートし、マルチクラウドでのビッグデータ統合を実現可能にした」(スタラップ氏)と述べ、先進のデータ統合ソリューションを提供していると説明した。

 今後のロードマップに関しては、「エンタープライズ」「リアルタイム」「インテリジェンス」「セルフサービス」の4つのキーワードを挙げ、「これからも、クラウドおよびビッグデータプラットフォームにおいて、顧客が抱えるデータ統合の課題を解決するソリューションを提供し続けていく。そのために、エンタープライズが求めるスケール・スピード・耐障害性のニーズに応えるとともに、今日のビジネスに要求されるリアルタイムのデータアジリティに追随していく。また、インテリジェンスでは、機械学習に基づいた自動パイプライン処理を実現していく。そして、顧客のデータアクセスへの高い信頼性とセキュリティを担保できるセルフサービスの提供を目指す」(スタラップ氏)との考えを示した。

 日本市場での展開について、Talend カントリーマネージャーの西村哲也氏は、「約7年前から日本市場に参入しているが、今までなかなか実績を上げることができなかった。そこで、私が代表に就任した昨年9月から市場の再立ち上げを行った。具体的には、営業スタッフを3倍に増員し、営業力を大幅に強化するとともに、『ビッグデータ』『セルフサービス』『クラウド』を3本柱としてエンタープライズ市場への本格参入を図った。この取り組みが奏功し、今年は金融・製造・通信・インターネット領域を中心にデマンドが昨年の2倍に高まり、売り上げも昨年比で4倍に成長している」と、新体制から約1年で国内のビジネスが急拡大しているという。

Talend カントリーマネージャーの西村哲也氏

 「『Talend Data Fabric』は、企業のあらゆるデータ活用ニーズに応える統合プラットフォームとなっている。ビッグデータ活用では、トラディショナルなETLだけでなく、リアルタイムシステム連携やSpark高速バッチ/ストリーミングを迅速に開発できる。また、マルチクラウドの導入を強力にサポートするコネクティビティを備えている。さらに、セルフサービス型データプレパレーションの導入によって、ビジネス部門の意識決定を効率化できる。コスト面についても、サブスクリプションモデルのため、デプロイ環境に依存することなく、追加コストも発生せずに適用範囲を拡張できる」(西村氏)と、エンタープライズ企業の導入メリットをアピールした。

「Talend Data Fabric」が実現するデータレイク

 今後の戦略としては、「豊富なシステム連携機能(700種類)を活用したデータ統合」、「GUIによる高い開発生産性とネイティブな環境を実現するビッグデータ統合」、「オンプレミス環境とクラウド環境間でのデータ統合やデータ連携の実現」、「データ分析のためのデータクレンジングとデータ変換を実現するデータプレパレーション」を注力領域として挙げ、日本市場でのさらなるビジネス成長に意欲を見せた。