ニュース

広島銀行、将来的な全行適用を目指したロボットによる業務自動化(RPA)の実証実験を富士通と開始

 株式会社広島銀行と富士通株式会社は5日、広島銀行の行内業務において、人の作業を代替するソフトウェアのロボットによる業務自動化(RPA)の適合性を検証する実証実験を開始したと発表した。実証機関は2018年1月下旬まで。

 実証実験では、広島銀行にてRPAの適合性があると見込まれるデータ集計などの複数の行内業務において、富士通がKofax Japan株式会社(以下、Kofax)のRPAパッケージ「Kapow10(カパゥテン)」を用いてロボット開発を実施し、業務ごとの適合性を整理する。

 実証対象業務には、広島銀行の事務集中部門を中心に対象業務を複数選定。本格展開に向けて必要となる準備を全て完了させることを目的とし、ステップに分けて実証実験を実施する。

 ステップ1は準備として、机上評価にてRPA適合性があると見込まれる対象業務の選定を行う。ステップ2は開発・測定・整理として、ステップ1で選定した対象業務において「Kapow」をベースとしたロボット開発・効果測定・課題整理を行う。ステップ3はパターン化・展開計画策定として、ステップ2で高い効果があった複数の対象業務を類似業務に分けてRPAを共通的に適用するためのパターン化、OHR(Over Head Ratio、銀行業務の効率性を示す指標の1つ)算出、展開計画策定を行う。

実証実験の実施イメージ

 広島銀行は、将来的にRPAを全行で適用することを目標とする中、実証実験の結果を踏まえた上で、効果の高い業務から順次RPAを導入し、抜本的な業務効率化の実現と付加価値の高いサービスの提供を目指す。

 富士通は、実証実験によるノウハウやこれまで培ってきた業務可視化ノウハウを活用し、営業店システムでの活用を含め、金融機関におけるRPA導入を支援していく。また、将来的には、定型業務の自動化のみならず、非定型業務の自動化やAI活用による業務自律化を目指していくとしている。