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キヤノンITS、メインフレームなどへの接続用端末エミュレーター「TCPLink Enterprise Server」新バージョン

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は、端末エミュレーター「TCPLink Enterprise Server」の新バージョンを8月上旬から販売開始する。

 TCPLink Enterprise Serverは、メインフレームのオンライン端末機能を、さまざまなクライアント(PC、仮想環境、シンクライアント、スマートデバイスなど)のウェブブラウザー環境で実現するウェブ対応端末エミュレーター製品。Windowsサーバーに環境にインストールし、各クライアントからWindowsアプリまたはウェブブラウザーにより端末エミュレーターの利用が可能となる。

「TCPLink Enterprise Server」システム概要図

 メインフレームは、その堅牢性からメガバンクや行政機関など基幹業務システムで広く使用されており、システムに高い信頼性・安定性が求められる金融、製造、流通の各業界では、今後も継続的な需要が見込まれている。一方、端末エミュレーターにおいては、クライアントOSのサポート終了に伴い、Windows 10への移行を契機とした買い替えニーズが高まっているほか、クライアントの多様化により、さまざまなアクセス形態に対してセキュアな環境を確保することが課題となっているという。

 こうした課題を解決するため、TCPLink Enterprise Serverの新バージョンでは、暗号化通信ライブラリを変更し、セキュリティを強化。セキュリティ対応版の暗号化ライブラリを、Microsoftが提供するAPIで実装する方式に変更するとともに、起動中セッションのTLS通信で利用しているサーバー証明書の表示などの機能強化を行った。今後、Windows Updateにより脆弱性への対応、セキュリティ強度向上が行われるようになるため、将来においても信頼性の高い環境での利用が可能になる。

 また、対応サーバーOSとしてWindows Server 2016を追加。社内サーバー更改と合わせて、端末エミュレーターの移行もスムーズに実施できる。

 IBM i向けデータ転送互換性を強化し、IBM 5250データ転送における互換性強化として、送受信ファイルタイプにExcel形式を追加。さらに、純正エミュレーター(IBM i Access for Windows)の転送要求ファイル(dtt、dtf形式)読み込み、拡張形式の形式記述ファイル(fdf)の読み込みに対応した。

 製品の価格(税別)は、ベースライセンスが60万円から、ユーザーライセンスが1ライセンスあたり3万円。キヤノンITSでは、TCPLink Enterprise Serverを、メインフレームを保有する製造業、金融業、流通業などを中心に販売し、周辺開発を含め2020年までに売り上げ10億円を目指す。