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日立システムズエンジニアリングサービス、機密データを海外拠点に安全・高速・低コストで転送できるサービス

 株式会社日立システムズエンジニアリングサービスは31日、株式会社日立システムズと連携し、国内拠点はもちろん、海外拠点などとデータを共有する企業向けに、データを一時的に無意味化することで、低コストで安全かつ高速に転送する「グローバルセキュアデータ転送サービス」の販売を開始した。提供開始は10月予定。

 グローバルセキュアデータ転送サービスは、日本の設計・企画部門と、生産拠点となる海外工場や海外の設計部門との間で、CADなどの設計図面データや研究開発データなどの機密情報を共有する製造業などでの利用を想定したサービス。

 日立システムズエンジニアリングサービスと日立システムズが独自に開発した高速データ転送ソフトウェアに加え、パブリッククラウド環境と株式会社ZenmuTechの秘密分散ソリューション「ZENMU」の技術を組み合わせ、転送時に機密データを一時的に無意味化することで、高速かつセキュアなデータ転送を実現する。

 無意味化とは、意味のない文字の羅列にするとともに、複数データに分割・分散することで、その分散したデータをすべて集めた上で復元しなければ意味をなさない状態にする手法。分散されたデータは同じ伝送経路ではなく、2つ以上のパブリッククラウド環境を通じて転送されるため、専用線に比べて低コストで大容量データをセキュアに高速に転送できる。万一、転送が失敗した場合でも、システムで自動的に転送作業を再実行するため、確実な転送処理を実現する。

 これにより、企業はバックアップデータや機密情報などを国内のデータセンター間や海外拠点とやり取りする際に、セキュアな環境を通じて高速に共有することができるだけでなく、担当者がデータ転送を完了するまで待つことがなくなるため、業務の効率化や働き方改革を推進することが可能としている。

 価格は個別見積もり。日立システムズエンジニアリングサービスと日立システムズでは、グローバルセキュアデータ転送サービスを拡販することで、2019年度末までに累計5億円の販売を目指す。