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国内クラウド向けエンタープライズストレージ市場、2017年の支出額は前年比25%増の516億1700万円~IDC Japan

 IDC Japan株式会社は26日、国内クラウド向けエンタープライズストレージシステム市場の2017年~2021年の支出額予測を発表した。国内クラウド向けストレージの2017年の支出額は前年比25.0%増の516億1700万円、2016年~2021年の年間平均成長率は16.5%で、2021年の支出額は885億8500万円に達すると予測している。

 予測では、国内クラウド向けストレージ市場について、外付型、サーバー内蔵型、ODM Directの3分野で構成されるエンタープライズストレージシステムにおけるクラウド(パブリッククラウド、プライベートクラウド)向け支出額を対象にしている。

国内エンタープライズストレージシステム市場 配備モデル別 支出額予測、2016年~2021年(出典:IDC Japan)

 国内エンタープライズストレージシステム全体では、2017年の支出額は3029億5500万円で前年比0.3%減となる見込みで、非クラウド(トラディショナルデータセンター)向け支出額が2513億3900万円で前年比4.3%減となるのに対し、クラウド向けは増加となる。

 また、2017年のエンタープライズストレージシステムの出荷容量は7584PB(ペタバイト)で、前年比24.8%増と予測。このうち、非クラウド向けは5380PBで同18.1%増にとどまるのに対し、クラウド向けは2204PBで同45.2%増が見込まれると予測。2017年の国内エンタープライズストレージシステムに占めるクラウド向けの比率は、支出額で17.0%(前年:13.6%)、出荷容量で29.1%(同25.0%)に上昇する見込みとしている。

 クラウド向けのエンタープライズストレージシステム支出額が増加している理由としては、利用しているアプリケーションを既存のインフラからクラウドに移行するケースが増えているだけではなく、デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業が増加し、新しいビジネスを構築するインフラとしてクラウドを活用することが増えているためと説明。また、クラウド上ではIoT、ビッグデータ/アナリティクス、コグニティブ/AIシステムなどの容量を大量に消費する新しいワークロードが稼働するため、出荷容量の伸びも高くなっているとしている。

 今後も国内クラウド向けエンタープライズストレージシステムの成長は続き、2016年~2021年の年間平均成長率は出荷額で16.5%、出荷容量で40.3%と予測。2021年のエンタープライズストレージシステムの支出額と出荷容量に占めるクラウド向けの比率は、それぞれ28.4%、41.0%に達すると予測している。

 IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ/PCsのグループディレクターである森山正秋氏は、「予測期間(2017年~2021年)を通して、ワークロードの種類、データの種類、さらにビジネスモデルに応じてパブリッククラウドとオンプレミスを使い分けるハイブリッドクラウドが主流になるとIDCでは考えている。ストレージベンダーがストレージインフラのビジネスを拡大するためには、ハイブリッドクラウド時代のデータ管理の課題を解決するソリューションを提案していくことが求められる」と分析している。