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NTTコムウェア、AIを用いた画像認識プラットフォームのクラウド版

 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は27日、これまでオンプレミス向けに提供してきた「Deep Learning画像認識プラットフォーム」において、6月30日よりクラウド版を販売開始すると発表した。

 「Deep Learning画像認識プラットフォーム」は、NTTグループのAI「corevo」を構成する「画像不適切度合い判定技術」「ディープラーニングによるリアルタイム人物検出技術」「道路不具合自動検出システム」で共通に利用されるAI技術をプラットフォーム化したもの。3月より、オンプレミス向けのインストール版を提供してきたが、今回新たにクラウド版を製品化し、「監視・検閲」「保全・点検」「製品検査」の各分野におけるAI導入を促進するとのこと。

 クラウドサービスとして提供されるため、インストール作業などは不要で、学習用画像を用意すれば、すぐにAI作成を開始可能。ライセンス費用のみでAIを導入できることから、AI導入のイニシャルコストを削減する。

 また、ビジネス拡大や業態転換などに応じて、必要なAI処理能力の増減を行えるので、繁忙期/閑散期といったの季節変動のある業務の場合、繁忙期はライセンスを追加する、閑散期は利用を休止するなど、柔軟な変更に対応する。

 さらに、クラウドサービスとしての特長を生かし、スマートフォンやタブレットなど、日常利用する機器のカメラで対象物を撮影し、その場でAI判定結果を得るといった利用法にも対応。訪問先で撮影し、その場で判定結果を確認したい、といったニーズに応えられるとした。

 あわせてNTTコムウェアは、フロンティアコンストラクション&パートナーズ株式会社(以下、FC&P)と連携して、クラウド版を活用した、FC&Pの新築マンション竣工検査へのAI導入に向けた実証実験を、7月より実施する。

 FC&Pの品質検査事業には、新築マンション事業におけるデベロッパー・施工会社からのさまざまな検査依頼があり、現在は専門知識と経験を持つ技術者や、十分な経験を積んだスタッフにより検査を実施している。今回の実証実験では、Deep Learning画像認識プラットフォームのクラウド版を新築マンション竣工検査の1つである仕上検査に適用し、その有効性検証を行うとのこと。

 FC&Pが仕上面のキズ・汚れ・その他の画像群を用意し、NTTコムウェアがその画像群を学習した画像認識エンジンを作成。学習用画像群とは別の仕上面画像を画像認識エンジンに与えた結果をもとに、専門知識を持つ技術者による検査の精度にどこまで迫れるか確認する。