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富士通、ブロックチェーンの応用によるデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発

 富士通株式会社は5日、組織や企業に蓄積されているデータの相互利活用の促進に向け、ブロックチェーン技術の応用による安心・安全なデータ流通ネットワークを実現するソフトウェアを開発したと発表した。

 ソフトウェアは、株式会社富士通研究所が開発した、ブロックチェーンの応用による分散データアクセス制御技術「富士通VPX(Virtual Private digital eXchange)テクノロジー」をベースとしたもの。ブロックチェーンの機能を拡張し、データ提供者が保有するデータの属性情報と、データの保管場所にひも付いたID情報をブロックチェーンの分散台帳に登録し、登録されたデータを取得できるデータ利用者を限定するアクセス権限の設定などを可能にした。

開発したソフトウェアを用いたデータの相互利活用イメージ

 データ提供者は、データの保管場所はそのままに、提供するデータの属性情報(データの種類や、そのデータに含まれる情報要素など)と、データの保管場所とひも付けたID情報をブロックチェーンの分散台帳に登録でき、データ利用者は分散台帳に登録された属性情報から必要なデータを容易に検索するとともに、データのID情報を入手できる。

 データ提供者は、利用者に保管場所から直接データをダウンロードさせるのではなく、ID情報でデータの申請を受け、それに対応したデータを利用者に対して暗号化して送付するため、データ提供者がデータの安全性を維持したまま、データのやり取りを行える。

 データ提供者がブロックチェーンの分散台帳に提供データの情報を登録する際、データごとにアクセス権限を自由に設定することが可能。これにより、データ提供者は分散台帳を閲覧できる全参加者の中から、アクセス権限を付与した参加者にのみデータの情報を開示することができる。

 また、データ利用者がID情報でデータの申請を行ってから、アクセス権限を認証し、データが送信されるまでの一連のプロセスを自動的に実行するスマートコントラクトを搭載し、効率的なデータのやり取りを行える。

ブロックチェーンを拡張したデータ流通

 富士通では、今回開発したソフトウェアを拡張し、「FUJITSU Network Virtuora」シリーズの1つとして2017年度内に製品化することを目指す。また、6月7日~9日に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2017」の富士通ブースにおいて、実機によるデモンストレーションを含めて展示する。