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NTT東日本、映像データ解析やビーコンを用いた農業IoTの共同実証実験を実施

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は23日、株式会社サラダボウルおよびアグリビジョン株式会社と、農業法人の生産性向上を目的とした共同実証実験を山梨県北杜市で実施すると発表した。実験では、Wi-Fi/AIによる映像データ解析・ビーコンなどの技術を活用し、トマトの収穫量予測と農作業者の生産活動の可視化を実証する。実施期間は2017年5月~2018年3月。

 2004年に設立されたサラダボウルは、「農業の新しいカタチを創る」というスローガンのもと、農産物の生産・販売、農業生産コンサルティングなどを行っている。サラダボウルの関連会社であるアグリビジョンは、山梨県北杜市に国内最大級の園芸施設を保有し、トマトの生産・販売を行っている。

 実証実験では、収穫量予測業務の効率化・スキルの平準化や、農作業者の作業効率の可視化・生産性向上といった課題解決に向け、Wi-Fiと映像データの解析技術を活用したトマトの収穫量予測と、Wi-Fiとビーコンを活用した農作業者の生産活動の可視化を実施する。

 トマトの収穫量予測では、ネットワークカメラで撮影したトマトの映像データを、Wi-Fi経由でクラウドにアップロードし、AIを用いた画像解析技術によって収穫可能なトマトを識別することで、ビニールハウス内における当該品種の収穫量を予測。栽培責任者の稼動削減と、農作業者の配置の最適化、取引先へのより正確な出荷数の通知を実現するとともに、AIを用いた映像データ解析技術により、人的ノウハウに頼らず安定的で正確なトマトの収穫量予測を実現する。

Wi-Fiと映像データの解析技術を活用したトマトの収穫量予測

 農作業者の生産活動の可視化では、ビニールハウス内に設置される電波ビーコンが発する電波を、農作業者が身につけるビーコンゲートウェイで受信し、その電波強度情報をWi-Fi経由でクラウドにアップロードする。アップロードしたデータを、AIを用いた位置情報解析技術によって分析することで、農作業者の生産活動を可視化する。ビーコンを用いることで、GPSが利用できないビニールハウス内でも、農作業者の位置情報の取得が可能で、AIを用いた位置情報解析技術により、農作業者の位置情報や動線を高精度で視覚化可能とする。

Wi-Fiとビーコンを活用した農作業者の生産活動の可視化

 NTT東日本では実証実験を通じて、農業分野における簡単に利用可能なレディメイド型のIoTサービスの商品化を目指す。また、実験の詳細な内容については、5月24日~26日に東京ビックサイトで開催される「ワイヤレスIoT EXPO」に展示を予定する。