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日立産業制御、Azureを活用した遠隔地医療研修ソリューションを提供

 株式会社日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)は22日、医療研修センター内に設置した医療研修に必要な映像機器などを統合管理し、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上にSaaS型医療研修基盤クラウドとして構築した各種機能と連携することで、遠隔地でも研修の受講を可能とする医療研修基盤提供ソリューションの提供を開始した。

 近年、国内の医療業界においては、地域による医療従事者の臨床技術格差が広がっており、場所を選ぶことなく、均一な医療学習や臨床技術トレーニングを行える環境の整備が求められている。

 また、国際標準化の流れにともない、医療機関が医療の質と安全において国際標準を満たすことを示す米国の国際医療機能評価機関(JCI)の認証の取得や、2023年からは世界医学教育連盟などの認証がない医学部の卒業生には米国の医師国家試験受験を認められなくなるため、日本の医学部においてもグローバルスタンダードの適用が求められるという2023年問題対策などから、臨床技術トレーニングの重要性に注目が集まっているという。

医療研修基盤提供ソリューションの提供イメージ

 日立産業制御では、こうした医療業界のニーズに応えるため、研修センター内に設置した複数台のカメラ、生体情報モニター、プロジェクター、電子黒板などの機器を統合管理し、SaaS型医療研修基盤クラウドとして構築した研修教材、受講管理、実習映像、ライブ配信、ビデオ会議などの各種機能と連携することで、遠隔地に居ながら、研修センターで実施される研修へのアクティブラーニング形式の医療研修受講が可能な環境を構築する医療研修基盤提供ソリューションを開発した。

 ソリューションにより、遠隔地にいる医療従事者が、時間や場所の制約を受けることなく、患者急変対応などの臨床実習の遠隔研修を受講できるようになる。また、研修センターでのトレーニング受講者が、遠隔地の職場に戻った後に実習映像を閲覧することで、自身の振り返りによる理解向上と職場への知識の共有が可能となる。

 ソリューションの価格は、本体ソリューション料が月額22万円から、初期導入費は個別見積もり。日立産業制御では、ソリューションを医療機関や医療教育機関、医療機器メーカーを対象に提供し、2018年度3億円の販売を目指す。また、今後はソリューションを医療以外の分野にも適用していく予定。