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シスコ、情報セキュリティ人材育成に向け「サイバーセキュリティ スカラシップ」を創設

 シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は21日、国内における情報セキュリティ人材育成のための「サイバーセキュリティ スカラシップ」プログラムを創設し、その運営母体として複数の参画企業/団体とともに「サイバーセキュリティ 人材育成コンソーシアム」を設立したと発表した。

 シスコでは、情報セキュリティ人材の量的・質的不足とその育成が急務となっているという状況に対応し、シスコがこれまで培ってきたネットワークおよびセキュリティ技術と、グローバルで豊富な実績がある学習プログラムをベースとして、ITベーシックから情報セキュリティまでを体系的に学習し、現在から将来に渡ってサイバーセキュリティの課題に対応していくために必要な技能を習得できるようなプログラムとその運営体制を設立し、情報セキュリティ人材育成と将来的なキャリア機会の創出に貢献するとしている。

 「サイバーセキュリティ スカラシップ」プログラムは、サイバーセキュリティの基礎知識を身につけることを目的とした、セルフラーニングによる入門コース、今後のキャリア・職務を見据えた知識とスキルを身に付けることを目的とした、インストラクターによる研修とハンズオントレーニングによる基礎コース、実践的なセキュリティ対策/解析手法を身に付け、即戦力になる人材を目指す応用コースから構成される。

 成績優秀者に対しては、シスコの海外でのインターンシップ機会の提供や、インターンシップ終了後のシスコでの積極採用のほか、コンソーシアム参加企業による採用機会の提供についても今後検討していく。これにより、世界でも通用する人材育成とサイバーセキュリティ関連のキャリアに進む意欲醸成を推進するとしている。

 また、サイバーセキュリティのインストラクターの人材不足も深刻な課題といるとして、インストラクターの育成についても取り組んでいく。これにより、人材育成の基盤構築と裾野の拡大を図るとともに、たとえば育児のため退職したり、労働環境や時間に制約のある女性エンジニアなどに対するインストラクターとしてのキャリア機会提供も行っていく。

 プログラムの対象は当初学生からスタートし、今後、障がい者雇用、女性エンジニアの育成、セカンドキャリアも視野に入れ、2020年およびそれ以降に向けて、より幅広い層の人材育成を目指す。

 「サイバーセキュリティ 人材育成コンソーシアム」は、サイバーセキュリティ スカラシップの運営母体として、取り組みに賛同、参画する企業、組織、支援団体から構成される。

 コンソーシアムを通じて、スカラシッププログラムの運用、トレーニングの提供、インストラクターの育成、機材や受講環境の提供、トレーニングカリキュラムの開発、インターンシップ機会の提供、雇用機会の提供などを行っていく。

 コンソーシアム参加組織のうち、シスコは独自のセキュリティ人材トレーニングやスカラシップの提供、シスコ本社でのインターンシップ、プログラムプロモーション、積極採用を実施。Cisco Master Security Partnerは、応用カリキュラムの提供、遠隔授業実施支援、プログラムプロモーション協力、積極採用を行う。

 ICT教育推進協議会 (ICTEPC)は、プログラムの運営、現役のエンジニアと接する機会の提供、プログラムプロモーション協力、積極採用。大学、高専、専門学校は、学生へのトレーニング実施、メンター、指導者の育成。支援・協賛団体は、プログラム運営支援、現役のエンジニアと接する機会の提供、プログラムプロモーション協力、積極採用をそれぞれ行う。