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ラックとF5、暗号化通信に対応するセキュリティ監視に関する協業を開始

 株式会社ラックとF5ネットワークスジャパン合同会社(以下、F5)は10日、F5のSSL復号化ソリューションの販売強化と、暗号化通信のセキュリティ監視普及を目的として、協業を開始すると発表した。また、ラックは協業に向け、F5製品の販売代理店として同社のパートナープログラムに参加する。

 ラックでは、セキュリティ対策用ソリューションの多くは、暗号化された通信の内容を分析することができず、コンピュータウイルスなどに暗号化通信を使われてしまうと、その中で不正な情報の授受があったとしても発見することができず、「セキュリティ対策の抜け穴」となっていると指摘。ラックのセキュリティ監視・運用センター「JSOC」が2016年に受け取ったサイバー攻撃の警告のうち、9割が暗号化通信によって情報を隠蔽することが可能な攻撃形態をとっていたという。

 こうした背景を踏まえ、ラックとF5の協業では、暗号化通信を安全に復号する機能を持つF5のSSL復号ソリューションを活用し、既存のセキュリティ対策が持つ力を発揮できるようにする。

 F5のSSL復号ソリューション「Herculon SSL Orchestrator」「BIG-IP SSL Forward Proxy」は、従来のウイルス対策製品や侵入検知システムなどに暗号を復号化したデータを転送し、サイバー攻撃の防御や検知を可能にする。また、復号化の機能は組織内から組織外に送信される暗号化通信にも適用されるため、いわゆる標的型攻撃による機密情報の窃取などの活動の発見も可能となる。

 ラックとF5では、SSL復号化ソリューションの需要拡大および販売活動を展開するとともに、暗号化によるセキュリティ劣化の問題を抱える組織にJSOCの紹介を行うなどの取り組みを行い、年間10社の導入を目標として協業を推進していくとしている。