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丸紅とOKI、国土交通省公募の「ETC2.0車両運行管理支援サービス」社会実験を開始

 丸紅株式会社と沖電気工業株式会社(以下、OKI)は6日、国土交通省国土技術政策総合研究所が公募する「ETC2.0車両運行管理支援サービス」に関する第II期社会実験に関して共同で取り組みを進め、2017年3月からETC2.0を活用した物流事業者向け車両運行管理支援サービス実験を開始したと発表した。

 丸紅とOKIは、丸紅の100%子会社である丸紅無線通信株式会社の無線通信サービスと、OKIのETC2.0に対応した車両運行管理支援サービス「Locoもび」を組み合わせ、丸紅ロジスティクス株式会社(以下、MLOGI)およびアルテリア・ネットワークス株式会社(以下、アルテリア)に車両運行管理支援サービスを提供する。

 MLOGIおよびアルテリアは、それぞれ数十台規模での車両運行管理実績がある。実験ではETC2.0の仕組みを活用し、動態管理を含めた車両運行管理支援サービスを提供することで、運行効率の改善・向上を図るとともに、ETC2.0を活用したサービスの有効性を評価する。

 丸紅とOKIでは、実験の結果を踏まえて、ETC2.0関連領域から拡大して、スマートフォンの位置・加速度情報やOBD-II(車そのものに取り付けられている故障診断などに用いられる規格)の燃費・車速などの情報を収集・分析・活用する事で、車両運行管理の効率化、運転日報の自動生成、運転手向け安全運転支援、労務管理までを実現するIoTソリューションを企画する。

 丸紅では、丸紅無線通信を通じてIoT・格安SIM事業者などに向けて2017年1月末時点で約53万回線の無線回線を提供しており、2016年度度からは位置情報管理や映像監視・分析などのIoTサービスを開始している。今後も、単純な回線販売に留まらず、IoTサービスを検討される事業者向けに、無線機器・回線からクラウド、アプリケーション開発まで含めたIoTソリューションをワンストップで提供していくとしている。

 OKIでは、交通インフラ事業への取り組みのなかで、国土交通省、道路会社などの道路管理者向けに、ETC自動料金収受システムおよびETC2.0システムを提供しており、2015年度からETC2.0システムから得られる車両情報を民間のサービスに活用する検証を進めてきた。そのサービスの一例として、物流事業者向け運行管理支援サービスに取り組んでおり、今後は、車両をセンサーとして活用するIoTソリューションを展開していくとしている。