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クラウド時代の課題に対応する包括的な保護を提供、米Symantecのグレッグ・クラークCEOが戦略を説明

米Symantecのグレッグ・クラークCEO

 株式会社シマンテックは21日、米Symantecのグレッグ・クラークCEOの来日に伴うグローバル戦略説明会を開催した。

 クラーク氏は、Symantecではサイバーセキュリティ分野に特化するという戦略に基づいて、企業の変革を進めていると説明。2015年に情報管理事業をVeritas Technologiesとして分社化する一方、2016年8月にはエンタープライズセキュリティ分野の米Blue Coatを、2016年11月には個人情報保護ソフトウェア分野の米LifeLockをそれぞれ買収したことを紹介した。

 Blue CoatのCEOから、買収後にSymantecのCEOに就任したクラーク氏は、「SymantecとBlue Coatが一緒になることにワクワクしていた。2つのセキュリティ企業が一緒になることで、統合されたエンタープライズセキュリティプラットフォームが提供できるようになった」と語った。

 同時に、コンシューマー向けのセキュリティプラットフォームとしてもSymantecは最大手であり、現在ではPCやMacだけでなく、モバイルデバイスなどを含むあらゆるデバイスやサービスに対する保護が求められていると説明。LifeLockのID保護製品についても、今後は米国だけでなく世界各国に展開していくとした。

Blue CoatやLifeLockの買収により統合されたセキュリティプラットフォームを提供

 企業のセキュリティについては、以前は企業内のみを守ればいい単純なものだったが、企業がクラウドサービスを利用するようになり、データもクラウド上に保存され、それを従業員がモバイルデバイスから利用するなど、保護の対象が複雑化していると説明。また、マルウェアも通信に暗号化技術を用いるなどの変化により、新たな保護の考え方が必要になっているとした。

クラウドサービスやモバイルデバイスの普及により保護の対象も複雑化

 こうした状況の変化に対応する製品として、Symantecでは2月16日にクラウドセキュリティソリューション「Symantec Cloud Security Platform」を発表。情報漏えい対策(DLP)とウェブセキュリティサービス(WSS)を統合し、データを保護するシームレスなプラットフォームを提供し、クラウドサービスの利用状況を把握・管理するCASB(Cloud Access Security Broker)を組み合わせることで、クラウドへの安全な移行を支援。さらにはパブリッククラウドインフラとPaaSの保護など、クラウド時代の課題に対応する包括的なソリューションであり、あらゆるユーザーのあらゆるデバイス、あらゆる場所のデータを保護する仕組みだとした。

クラウド時代に対応する包括的なソリューションを提供

 クラーク氏は、Symantecのエンドポイントセキュリティ製品が検知した脅威情報を、Blue Coatのゲートウェイ製品がファイルやURLのブロックに利用したり、逆にゲートウェイ製品が検知した攻撃情報をエンドポイント製品が活用するなど、製品の統合が効果をもたらしていると説明。Symantecは昨年1年間で4億3000万種類のマルウェアを発見しており、1日に20億件のメールをスキャンするなど、世界最大規模のセキュリティネットワークから得られる知見を基にした保護を提供していくとした。

 また、今後は中小企業などに向けた製品にもBlue Coatの技術を展開していくとともに、中小企業の規模でセキュリティの課題にすべて対応しようとするのは良い考えではないとして、そのための解決策としてマネージドセキュリティを提供していくとした。

昨年1年間で4億3000万種類のマルウェアを発見