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日揮とNEC、AI・IoTを活用したプラント運転データ解析サービスで協業

 日揮株式会社と日本電気株式会社(以下、NEC)は2日、AI・IoTを活用したプラント運転データ解析サービス提供に関する協業を開始したと発表した。

 協業は、2016年11月に両社間で締結した覚書により、石油精製、化学、LNG(液化天然ガス)・ガス、発電、資源開発分野などにおけるプラント運転異常の予兆を検知するシステムの構築とサービスの提供を共同で行うもの。

 国内外のエネルギー・化学業界は、先進国ではプラントの長寿命化、プラント運転員の高齢化が進む中で、プラントの安定・安全運転を維持しつつ、メンテナンスコストを含めた運転コスト全体の低減をいかに進めるか、新興国では熟練したプラント運転員の確保が難しい状況の中でいかにして安定・安全運転を維持し、効率的なプラント操業を行うかが課題となっている。こうした状況の中で、プラント操業におけるAI・IoTの活用に対して期待が寄せられている。

 日揮は、エネルギー・化学プラントの建設プロジェクトの遂行を通じて蓄積してきたエンジニアリングノウハウを基に、2016年1月に専門組織を立ち上げ、プラント運転データ解析サービスを開始。これまでに国内外でのべ5製油所、1LNGプラントに対して、顧客から提供を受けたデータを解析し、異常予兆の特定を含む同サービスを提供してきた。現在、化学プラント、資源開発設備、発電所の計5プラントに関する同サービスの提供依頼を受けている。

 一方、NECは、データの相関関係から異常の予兆を検知するインバリアント分析技術や、多種多様なデータを分析できる異種混合学習技術を始め、独自の最先端AI技術群「NEC the WISE」を活用し、プラントの異常予兆監視・エネルギー需要予測・品質分析などのシステムを電力・石油・化学プラントを運用する顧客に提供している。

 日揮とNECが共同で提供するプラント運転データ解析サービスは、両社が単独で提供してきたサービスに比べて、プラント全体に亘る広範囲の運転データを対象とした解析、および異常予兆の解析時間の短縮が可能になると説明。また、同サービスは、運転中のプラント全体に関する運転データを基に、異常予兆の因果関係をリアルタイムで特定し、トラブルの予防、未然防止の機械化・自動化に資するものとなる。

 両社は既に、協業の第一歩として、プラント運転データ解析サービスを受注し、サービスを提供。また、今後2年以内に国内外で30プラントへのサービス提供を目標に協業を強化していくとしている。