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NTTデータ、グループ全社の開発環境を「統合開発クラウド」に集約

 株式会社NTTデータは25日、全社のシステム開発環境をクラウド上に集約し、システム開発の生産技術向上を目指す「統合開発クラウド」の運用を、2017年4月をめどに開始すると発表した。

 NTTデータでは、現在の企業には会計・購買・生産管理といった既存ビジネスや業務プロセスを効率化する「守りのIT(SoR:Systems of Record)」だけでなく、FinTech、SNS、AI、IoTといったテクノロジーを活用し新しいビジネスを創出する「攻めのIT(SoE:Systems of Engagement)」への対応や、その両者をシームレスに連携することが求められていると説明。

 統合開発クラウドでは、NTTデータがこれまで蓄積してきた、ウォーターフォール型の開発を中心としたSoRと、SoEに適したアジャイル型開発の技術・ノウハウを同一環境上に統合することにより、SoR/SoEのスムーズな連携を実現し、顧客要件に応じた迅速なシステム開発に可能にする。これにより、開発の生産性・俊敏性のさらなる向上や、セキュリティー、監査などのグローバルでのシステム開発のガバナンス向上、「ANSER」をはじめとした同社IT資産のAPI活用による再利用性の向上を図る。

 統合開発クラウドでは、従来、ハードウェアやソフトウェアの製品調達を含め2~3カ月要していたシステム基盤の構築を、自動化技術により1日以内に短縮。SoRとSoE両方の開発に対応するアプリケーション開発のフレームワークやツールを集約するとともに、プロジェクト管理に必要な支援ツール群を組み込み、NTTデータグループ全体での管理ツールの統一化と、システム開発におけるQCD(品質・コスト・納期)の底上げを狙う。また、マルチベンダー、マルチクラウドに対応し、各ベンダーの最先端技術を捕捉して、豊富なバリエーションから顧客要件にフィットした製品を選定する。

 NTTデータでは、日本国内のNTTデータグループについては、2019年3月をめどに、新規の開発プロジェクトに対して、統合開発クラウドの100%の利用率を目指して展開。また、海外グループ会社への展開も順次進め、統合開発クラウドをベースとした欧州拠点の開発環境の整備や、中国オフショア開発に最適なプロセスと仕組みを提供していく。さらに、この統合開発クラウドの運用によって得られる知見をもとに、商用環境(顧客サービス環境)を含めたあらゆる利用シーンに対応を広げていくとしている。