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車載アプリを改ざんから保護 DNPのクラッキング対策製品「CrackProof」、自動車業界で初採用

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は16日、アプリケーションの不正な解析や改ざんを防止するクラッキング対策ソリューション「CrackProof」が、自動車業界で初めて採用されたと発表した。

 CrackProofは、DNPの子会社である株式会社DNPハイパーテックが開発したクラッキング対策製品。DNPではこれまで、ゲームや金融、家電といった業界に提供してきたが、2016年より自動車業界に向けた販売を開始し、今回、初めて採用されたという

 自動車メーカーで、遠隔でのドアの開閉、エアコンの電源操作などに加え、自動運転や運転補助に向けた高度なナビゲーション機能の開発など、車載システムのデジタル化やIoT化を進めている。

 そうした中で、すでに自動車のリモコン機能を持ったスマートフォン用アプリや、インターネットに接続可能な車載情報端末向けアプリなどが登場しており、2020年までに約2億5000万台の自動車に通信機能が搭載されるといった予測もされているという。

 今回は、このようなアプリケーションの改ざんを防止するためにCrackProofが採用された。CrackProofでアプリを堅牢化することにより、車載システムのアプリなどがクラッキングされ、遠隔操作でドアを解錠されたり、走行データが抜き取られたり、といった不正が行われることを防止する。

 なおCrackProofはクラウドサービスとして提供されており、開発が完了したアプリを専用サーバーにアップロードするだけで、簡単に堅牢化処理が行える点が特徴。堅牢化後も従来通りに操作が行えるとしている。

 DNPでは自動車業界に向けCrackProofを含めたセキュリティ対策製品・サービスを提供することで、自動車メーカー各社の車載通信機器での導入などを進め、2020年度までの5年間で50億円の売上を目指すとしている。