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CTC、農作業者を支援する健康・労務管理IoTソリューションのトライアルを実施

富士通「ユビキタスウェア」を活用し、データ分析により生産性の向上に貢献

農作業支援の健康・労務管理IoTソリューション

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は9日、農作業者の動作や身体の状態に関するデータを取得して、農作業者の健康・労務管理や生産性の分析を実現するIoTソリューションを開発したと発表した。

 開発したIoTソリューションは、センサーとして富士通株式会社のIoT製品「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(以下、ユビキタスウェア)」の「センサーアルゴリズム」や、熱ストレスや転倒・転落を遠隔で把握する「バイタルセンシングバンド」、位置情報を把握する「ロケーションバッジ」を活用。「バイタルセンシングバンド」には、データ取得に加えて、事前に設定した通知条件で管理者にアラートを自動通知する機能もあり、休憩の促進や事故発生時の迅速な対応に備えることが可能となる。

 ソリューションは、農作業者が身に付けたセンサーから動作や身体の状態に関するデータを取得し、作業者ごとの健康・労務管理を行う。また、取得データと作業記録との相関分析により、働きやすさや生産性の向上を目指す。

 農業には繁忙期があり、人出不足を補うために、普段は農作業に従事していない作業者が短期的に農作業の支援を行うことがある。夏場の、特にビニールハウスでの農作業は高温多湿な環境となるため、熱中症の予防を含めた農作業者の健康管理が必要となる。現場の管理者は、複数の作業場で働いている農作業者の体調変化に常に気を配る必要があり、安心して働ける環境が求められている。

 CTCでは、京丸園株式会社の浜松農園で、2016年8月~9月にソリューションのトライアルを実施。CTCの特例子会社である株式会社ひなりの社員が農作業者として協力した。

 トライアルでは、センサーからのデータ取得と、熱ストレスや身体負荷等によるアラートの自動通知の有無を確認。作業内容や作業経過時間、連続勤務日数と、身体負荷や熱ストレスとの相関関係を確認し、ストレスのかかる作業や適切な作業配分、作業連続作業における休憩取得のタイミング、連続勤務日数の限度などについて個人ごとに算出した。また、センサーデータ、業務データに加えて、気温・日照時間・湿度などの環境データを用いた機械学習により、農作物の生育量予測モデルを構築した。

 CTCでは、トライアルの対象施設をさらに拡大し、農作業者の安全管理と作業の効率化を目指すソリューションの提供を2017年度に開始する予定。データの蓄積を通して農作物の生産量を予測する機械学習の精度を高め、ソリューションの改善を継続。農作業におけるITの活用で新たな市場を開拓し、将来的には、健康・労務管理を課題とする農作業以外の業態への展開も目指すとしている。