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富士通、製造工程の稼働状況を可視化するIoTソリューション「VisuaLine」を販売開始

 富士通株式会社は5日工場の製造設備から収集される稼働実績のログデータをもとに、製造工程の稼働状況を可視化するIoTソリューション「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VisuaLine」(以下、VisuaLine)の販売を開始した。

 VisuaLineは、生産工程に関わる製造設備からのログデータを収集し、1製品ごとの稼働状況をグラフなどの表現形式で可視化する。日々のグラフとの比較から、通常よりも時間がかかっていることなどを一目で読み取ることができ、異常箇所の早期発見につなげられる。

 1つの製品を生産するにあたり、開始から完了までの工程において関わる製造設備のログデータを活用し、工程時間を波形で表現したグラフで可視化。通常よりも遅延している箇所や、稼働当初よりも慢性的に時間がかかっている箇所など、稼働状況を一目で把握でき、異常箇所の発見を誰でも簡単に行えるようにする。

「VisuaLine」の線グラフによる可視化イメージ

 製造現場に設置したカメラとグラフの情報を連携させ、異常箇所など見たいグラフのポイントをクリックすることで、現場で起こったことや取られた対策など、その時点の映像を確認できる。また、工程スケジュール目標と実績値を比較する予実可視化の機能により、目標との差異から改善点を模索することや、製品ごとの製造ラインの動線を確認する設備可視化機能により一番効率的な工程を検討することなどが可能になる。

 既存設備の実績データをそのまま活用するため、IoTによる製造現場の改善をすぐに始めることができ、初期投資を抑えたスモールスタートが可能なため、まずは1ラインで実践したうえで、他工場に拡充していくなどの導入手段が可能としている。

 富士通では、2014年からオムロン株式会社草津工場のプリント基板の表面実装ライン(SMT工程)で、製造設備のログデータを活用した現場革新の共同実証に取り組み、6カ月で30%の生産性向上という効果を確認。2016年に行った富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社(以下、FINET)山梨工場のSMT工程における社内実証では、停止時間25%削減を達成した。これらの実証をもとに確立した機能を、ソリューションとして提供する。

 VisuaLineの販売価格(税別)は、基本ライセンスが月額7万9000円から。オプションライセンスが月額2万4000円から。富士通では2019年度までに3000ライセンスの販売を目標とする。